P/E比率

P/E比率とは、株価収益率(Price to Earnings ratio)の略称で、企業の株価とその企業の一株あたりの利益(EPS:Earnings Per Share)との比率を表します。P/E比率は、企業の株価がEPSに対してどの程度割安・割高かを示す指標の一つです。

P/E比率は、株価をEPSで割った値で算出されます。EPSは、企業の決算書に記載された純利益(利益の総額から税金や配当を差し引いた値)を、発行済み株式数で割った値となります。EPSは、一株あたりの利益を示す指標のため、企業の実績や成長性を評価する際にも重要な要素となります。

P/E比率が10倍以下であれば、株価がEPSに比べて割安であることを示し、企業価値が実際の価値よりも低く評価されていることが考えられます。一方、P/E比率が20倍以上の場合は、株価がEPSに比べて割高であることを示し、企業価値が実際の価値よりも高く評価されていることが考えられます。

P/E比率は、企業の業種や業態によって大きく異なる傾向があります。例えば、成長性が高く将来の利益が期待される企業や、競争優位性がある企業は、高いP/E比率を示すことが多く、反対に成長性が低く将来の利益が期待しにくい企業は、低いP/E比率を示すことが多いとされています。

P/E比率は、企業の株価を評価する指標として利用されますが、単一の指標に過ぎず、企業の業績や成長性を総合的に判断する必要があります。また、P/E比率は、株価やEPSの変動によって変化するため、企業の業績や市場環境の変化にも注意が必要です。