クロス買い

クロス買い(Cross Trade)」とは、同じ証券会社の取引部門が仲介役となり、自社が持つ複数の口座を利用して、同一の銘柄に対して買い注文と売り注文を同時に出すことを指します。つまり、同じ証券会社内での取引になるため、市場に影響を与えずに取引が行われます。

クロス買いは、通常の取引に比べて手数料が安く、取引にかかる時間も短いというメリットがあります。また、個人投資家の場合、売り手が見つからずに売却ができない場合や、買い手が見つからずに購入ができない場合があるため、取引が成立しやすいという利点もあります。

ただし、クロス買いは、市場価格を決定する役割を持つ買い手と売り手が同じ証券会社であるため、価格が公正であるかどうかが疑われることがあります。また、クロス買いによって、市場参加者が偽装取引や価格操作などの不正行為を行う可能性があるため、適切な規制が求められています。

クリーンエネルギー分野など、一部の市場ではクロス買いが許容されていない場合があります。そのため、投資家は、取引を行う前に、各市場のルールや規制について確認する必要があります。