ストキャスティクス

ストキャスティクス(Stochastic oscillator)は、テクニカル分析において用いられるオシレーターの一種です。株価や為替などのチャート分析において、価格の変化に基づいて売買シグナルを出すことができます。

ストキャスティクスは、価格が一定期間内にどれだけ上昇したか、下落したかを計算して、その期間中の最高値と最安値の間に現在の価格がどの位置にあるかを示す指標です。この計算によって、過買い圏域や過売り圏域を示すことができ、それに基づいて売買のタイミングを判断することができます。

ストキャスティクスは、主に以下の3つの要素で構成されます。

  1. %K線:現在の価格が一定期間内の最高値からどの程度離れているかを示す線。通常は14期間が使用されますが、投資家によって異なる期間が使用されることがあります。
  2. %D線:%K線を平滑化したもので、より滑らかなラインを描くことができます。通常は3期間の移動平均が使用されます。
  3. 売買シグナル:%K線と%D線のクロス(交差)を利用した売買シグナルが出されます。%K線が%D線を上から下にクロスする場合は売りのシグナル、下から上にクロスする場合は買いのシグナルとなります。

ストキャスティクスは、トレンド転換のサインとしても利用されます。例えば、価格が下落トレンドから上昇トレンドに転換する場合、%K線が過売り圏域を抜けて上昇し、%D線がクロスすることが観察されます。

ただし、ストキャスティクスは過去の価格の動きに基づいて計算されるため、過去のパターンが今後も続くとは限りません。そのため、ストキャスティクスによる売買判断は、他の分析手法と併用して行うことが望ましいとされています。