仕手

仕手」とは、株式市場において、特定の銘柄の株価を意図的に操作することを目的とした投資家や投資グループのことを指します。

彼らは株価を上昇させるために大量の買い注文を出したり、風説を流布 して市場参加者を惑わせるなどの手法を使います。これにより、仕手が狙った銘柄の株価が上昇し、その高値で売却することで利益を得ようとします。

しかし、仕手行為は市場の健全性を損ない、投資家に損失をもたらすことが多いため、金融商品取引法などの法律で規制されています。

 

新日本理化株事件

1981年2月、仕手の大物である加藤暠(かとうあきら)氏とその親族2人が、新日本理化という銘柄に大量の買い注文を出すことで株価を不当に吊り上げた疑いで逮捕されました。

この事件では、加藤氏が代表を務める「般若の会」のサイトに、自分が手掛けたとされる大相場になるとの書き込みがあったことから、最初は「風説の流布」の容疑が報道されていました。しかし、最終的に逮捕容疑は「相場操縦」に変わりました。

加藤氏は、2012年2月15日から同年3月2日の間に、親族の口座を使って20億~30億円をかけて新日本理化株を296万株買い、同時に280万株の買い付けを委託して同社の株価を871円から1297円まで吊り上げた疑いが持たれています。その後、一部を売却して利益を得たとされています。

この事件において、仕手が株価を操作することで不正に利益を上げる様子が示されています。

ただし、この事件にはいくつかの疑問点も浮上しており、マスコミ報道で「60億円の利益を上げた」とされていたものの、実際の状況はそのような大きな利益が上がることが理解できない状況でした。

この事件は、金融商品取引法に違反する「相場操縦」がどのように判断されるかについて、疑問が残る事例の一つです。証券取引等監視委員会や東京地検特捜部が、金融商品取引法に対して独自の解釈を加えて判例化し、誰でも逮捕できる「万能の武器」に仕立て上げているという指摘もあります。

また、この事件においても、いくつかの疑問点が浮上しています。マスコミ報道では「60億円の利益を上げた」とされていたものの、実際の状況はそのような大きな利益が上がることが理解できない状況でした。

さらに、最初は「風説の流布」の容疑が報道されていたものの、その後「相場操縦」の容疑に変わったことも疑問を呈するポイントです。

これらの点から、仕手行為に関する規制や捜査の適切性、透明性について検討する必要があると言えます。金融市場の健全性を維持するためには、法律や規制が適切に運用され、投資家が市場に対して信頼を持てる環境が整備されることが重要です。