イールドカーブ

イールドカーブ(yield curve)とは、国債などの債券の満期ごとの金利をプロットしたグラフのことで、債券市場の景気動向を示す指標の一つです。通常、長期債の金利が短期債の金利よりも高い「正常なイールドカーブ」が想定されますが、景気の先行きに対する投資家の期待が反映され、イールドカーブの形状は変化します。以下に具体例を示します。

例えば、景気が好調でインフレが進んでいると予想される場合、中央銀行が政策金利を引き上げることがあります。このとき、短期金利が上昇し、長期金利が上昇するか下落するかは市場の見方次第です。もし市場参加者が長期的な景気拡大を期待している場合、長期金利が上昇することになり、正常なイールドカーブが形成される可能性があります。

一方、景気後退が予想される場合、中央銀行が政策金利を引き下げることがあります。このとき、短期金利が下落する一方、長期金利が下落するか上昇するかは市場の見方次第です。もし市場参加者が景気後退を懸念している場合、長期金利が下落し、逆イールドカーブが形成される可能性があります。この場合、長期債券への需要が高まり、長期金利が低下するため、短期金利との差が縮小することになります。

このように、イールドカーブは景気動向の先行きに対する市場の期待を反映する指標となっており、政策金利の変動や経済指標の発表など、様々な要因によって形状が変化することがあります。投資家は、イールドカーブの形状を注視し、景気の先行きを判断することが重要です。