貸借倍率

貸借倍率(たいしゃくばいりつ)は、株式市場における投資家のセンチメント(投資家の心理状態や市場に対する見方)を測る指標のひとつです。制度信用取引において、投資家は信用取引で株式を売り買いすることができます。このとき、信用買い残と信用売り残という二つの残高が発生します。

信用買い残は、投資家が株式を買うために借り入れた資金(融資残高)を示しており、信用売り残は投資家が株式を売るために借りた株式(貸株残高)を示しています。

貸借倍率は、次のように計算されます。

貸借倍率 = 信用買い残 / 信用売り残

この指標が高い場合、信用買い残が信用売り残に比べて多くなっていることを示しており、投資家たちが株価の上昇を期待して買いポジションを持っていることを意味します。

逆に、貸借倍率が低い場合は、信用売り残が多くなっており、投資家たちが株価の下落を予想して売りポジションを持っていることを示します。

貸借倍率は、市場の相場の方向性を判断する際に参考にされることが多く、特に極端に高い値や低い値が出た場合には、相場の転換点になる可能性があると言われています。ただし、貸借倍率はあくまで一つの指標であり、投資判断を行う際には他の要素や指標と合わせて考慮することが重要です。