総資産利益率

総資産利益率とは、企業が保有する総資産を活用して、どれだけの利益を生み出したかを示す指標の1つです。つまり、企業が1年間に保有する総資産でどれだけの利益を上げたかを表す指標であり、高いほど総資産を有効活用していることを示します。

総資産利益率は、以下の式で計算されます。

総資産利益率 = 経常利益 ÷ 総資産

経常利益は、企業が営業活動で得た利益から支払った利息や税金を差し引いた利益のことで、営業活動で得た利益の実態を示す指標とされています。一方、総資産は、企業が所有する固定資産や流動資産などの資産の総額を表します。

例えば、ある企業の経常利益が1億円で、総資産が5億円の場合、総資産利益率は0.2倍となります。つまり、企業は総資産の0.2倍の利益を生み出したことになります。

総資産利益率は、企業の業種や業態によって大きく異なります。例えば、製造業や不動産業などの資本集約的な業種は、大量の固定資産を保有することが一般的ですが、その一方で、資本を多く投下することによる回収期間が長くなることがあります。

一方で、小売業やサービス業などの人件費が大きな業種は、固定資産を少なく保有しながらも利益を上げることが求められるため、総資産利益率が高い傾向にあります。

総資産利益率が高い企業は、少ない資本で大きな利益を上げていることが示され、効率的な経営を行っていると言えます。