総資産回転率

総資産回転率とは、企業が保有する総資産を使って、どれだけの売上高を生み出したかを示す指標の1つです。つまり、企業が1年間に保有する総資産で何回売上高を回収できたかを表す指標であり、高いほど効率的に総資産を活用していることを示します。

総資産回転率は、以下のような式で計算されます。

総資産回転率 = 売上高 ÷ 総資産

たとえば、ある企業の売上高が1億円で、総資産が1億5000万円の場合、総資産回転率は0.67回となります。つまり、企業は1年間で総資産の0.67倍の売上高を生み出したことになります。

総資産回転率は、企業の業種や業態によって大きく異なります。例えば、製造業などの資本集約的な業種は、生産性を高めるために大量の固定資産を保有することが一般的ですが、その一方で、資本を多く投下することによる回収期間が長くなることがあります。

一方で、小売業やサービス業などの人件費が大きな業種は、固定資産を少なく保有しながらも売上高を生み出すことが求められるため、総資産回転率が高い傾向にあります。

総資産回転率が高い企業は、少ない資本で大きな売上高を生み出していることが示され、効率的な経営を行っていると言えます。ただし、総資産回転率が低い企業は、資産の活用効率を改善することで、経営効率の向上を図ることができるため、注意が必要です。