賃上げETF(上場投資信託)とは
賃上げETFは、従業員の賃金を積極的に引き上げている企業に投資することを目的としたETFです。以下にその主な特徴をまとめます。
目的
従業員の賃金を継続的に引き上げている企業に投資することで、企業の持続的な成長と従業員の生活向上を支援します。
投資対象
賃上げに積極的な企業や、従業員への還元に力を入れている企業の株式に投資します。
賃上げETFの投資対象
賃上げETFは、従業員の賃金を積極的に引き上げている企業に投資することを目的としています。具体的な投資対象の選定基準には以下のような要素があります。
過去の賃金上昇率
過去3年間の平均給与上昇率が一定以上の企業。
- 例: 企業Aが過去3年間で平均5%の給与上昇を実現している場合。
従業員一人当たりの人件費
従業員一人当たりの人件費が増加している企業。
- 例: 企業Bが従業員一人当たりの人件費を毎年3%増加させている場合。
新規雇用者数の増加
新規雇用者数が増加している企業。
- 例: 企業Cが毎年新規雇用者を10%増加させている場合。
従業員満足度
従業員満足度が高い企業。
- 例: 企業Dが従業員満足度調査で高評価を得ている場合。
日本での具体例
日本での賃上げETFの具体例としては、以下のようなものがあります。
「次世代REIT・ベンチャー企業・賃上げ企業」ETF
2023年に上場されたこのETFは、次世代の成長が期待されるREIT(不動産投資信託)、ベンチャー企業、そして賃上げに積極的な企業を投資対象としています。
- 例: このETFには、過去数年間にわたり積極的に賃上げを行っている企業が含まれています。
具体的な企業例
トヨタ自動車(証券コード:7203): トヨタ自動車は、従業員の賃金引き上げに積極的であり、毎年の春闘での賃上げ交渉が注目されています。
ソフトバンクグループ(証券コード:9984): ソフトバンクグループも、従業員の待遇改善に力を入れており、賃上げを含む様々な施策を展開しています。
期待される効果
企業の賃上げを促進し、経済の好循環を生み出すことが期待されています。従業員の待遇改善が企業の生産性向上や競争力強化につながると考えられています。
投資家にとってのメリット
社会的責任投資(SRI)の一環として、従業員の待遇改善に取り組む企業に投資できます。賃上げによる消費拡大や経済成長の恩恵を受ける可能性があります。
リスク
賃上げによるコスト増加が企業業績に悪影響を与える可能性もあります。他の要因(業界動向、経済環境など)も株価に影響を与えるため、賃上げだけで投資判断をするのは危険です。
賃上げETFは、従業員の待遇改善と企業の持続的成長の両立を目指す新しい投資商品です。投資家は、このようなETFを通じて、社会的な課題解決に貢献しながら投資リターンを追求することができます。ただし、他のETFと同様に、市場リスクや個別企業リスクがあることに注意が必要です。