サヤチャートの見方|値動きの活発度と保有期間の目安を確認する方法
サヤチャートで主に確認するのは、次の3点です。
値動きの大きさ
サヤに十分な動きがあるかを見ます。
一方向への偏り
拡大または縮小が長く続いていないかを確認します。
過去の往復期間
山から谷、谷から山までにどのくらいの日数がかかっているかを見ます。
サヤチャートは、2銘柄の価格比を折れ線で表示したチャートです。
BLSでは、価格比の動きに移動平均線とボリンジャーバンドを重ね、直近1年間の推移を確認できます。
この記事では、サヤチャートの役割を「値動きの活発度」と「資金拘束期間の目安」に絞って解説します。
サヤチャートとは
BLSのサヤチャートは、銘柄2の株価を銘柄1の株価で割った価格比を折れ線で表示します。
チャート上には、価格比の移動平均線とボリンジャーバンドも表示されます。
ここで見ているのは、2銘柄の株価そのものではなく、2銘柄の相対的な値動きです。
銘柄2が銘柄1より強く動けば価格比は上がり、銘柄1が相対的に強くなれば価格比は下がります。
サヤチャートは直近1年間で表示される
BLSでは分析期間を変更できるチャートもありますが、サヤチャートは直近の値動きを確認する目的から、固定で1年間の表示になっています。
1年間の中で、
* サヤがどれくらい動いているか
* 一方向へ偏っていないか
* 山と谷がどの程度の間隔で現れているか
を見ます。
過去の長期関係を調べるというより、直近の運用に使える動きが残っているかを確認するチャートです。
サヤチャートで確認する3項目
1.サヤの値動きが十分にあるか
サヤ取りで利益を狙うには、2銘柄の価格比にある程度の動きが必要です。
価格比がほとんど動いていないペアでは、サヤが縮小しても利益額が小さく、手数料や信用取引コストに負けることがあります。
一方で、値動きが大きければよいわけでもありません。
急激に一方向へ動いている場合は、単なる活発な値動きではなく、2社の関係が変わっている可能性があります。
値動きの大きさだけでなく、上下へ往復しているかを確認します。
大きく動いていても、一方向へ伸び続けているペアは別に扱います。
2.一方向への偏りが続いていないか
サヤチャートが長期間にわたって右肩上がり、または右肩下がりになっている場合は注意が必要です。
この状態では、サヤが拡大と縮小を繰り返しているのではなく、2銘柄の力関係が一方向へ変化しています。
決算、業績修正、事業構造の変化、為替や原材料価格への反応差などによって、過去の価格関係が崩れることがあります。
一方向への偏りが続いているペアは、過去の形だけを見て候補へ残しません。
3.山から谷までの期間を確認する
サヤチャートでは、過去にサヤが拡大してから縮小するまで、どのくらいの日数がかかっていたかを確認できます。

この例では、過去の山から谷、谷から山までに、おおむね2~3か月かかっています。
今後も同じ周期が続くとは限りませんが、保有期間を考える際の参考にはなります。
短期間で何度も往復しているペアと、半年近くかけてゆっくり動くペアでは、資金の拘束期間が変わります。
過去の往復期間から保有期間の目安を考える
サヤ取りでは、含み益が出るまでの期間だけでなく、資金をどのくらい拘束する可能性があるかも重要です。
過去のサヤチャートに一定の往復が見られる場合は、山から谷までの日数を数えることで、保有期間の目安を作れます。
ただし、過去の周期は将来を保証するものではありません。
あくまで、
> 過去にはどのくらいの速さでサヤが動いていたか
を把握するために使います。
過去の往復期間が短いペアは、比較的早く結果が出る可能性があります。
往復期間が長いペアは、利益確定まで時間がかかる前提で資金を配分します。
周期が読みにくいペアもある

このように山と谷の間隔が一定せず、上下の動きにも規則性が見えにくいペアがあります。
このタイプは、エントリー後にどのくらいの期間でサヤが動くのかを見積もりにくくなります。
資金拘束期間を重視する場合は、無理に候補へ残さず、周期を読み取りやすいペアを優先した方が管理しやすくなります。
ボリンジャーバンドは動きの目安として使う
サヤチャートには、移動平均線とボリンジャーバンドが表示されます。
ただし、価格比が±2σへ到達しただけで、反転すると判断するものではありません。
サヤが一方向へ動いている場合は、バンドの外側を推移し続けることもあります。
ボリンジャーバンドは、直近の値動きが大きくなっているか、小さくなっているかを見る補助線として使います。
±2σへの到達だけでエントリーは決めません。
サヤの分布やペアの状態を詳しく調べる方法は、別記事で解説しています。
サヤチャートで避けたい形
サヤチャートでは、値動きが大きいかどうかだけでなく、その動き方を確認します。
特に候補から外しやすいのは、次の3つです。
一方向への動きが続いている
サヤの拡大または縮小が止まらず、往復が見られない形です。
値幅が小さすぎる
サヤが縮小しても、利益が売買コストや信用取引コストに負けやすい形です。
山と谷の間隔が安定していない
過去の保有期間を参考にしにくく、資金計画を立てづらい形です。
一方向へ伸び続けている形
8月ごろから価格比が一方向へ動き、ボリンジャーバンドの外側を推移しています
価格比の下落が続き、バンド幅も広がっています
この2例では、サヤが上下へ往復せず、一方向への動きが続いています。
ボリンジャーバンドの外側へ出ていることよりも、中央の移動平均線へ戻らず、同じ方向へ動き続けている点を見ます。
相場全体の変化や片方の企業に出た材料によって、それまでの価格関係が変わることもあります。
この形では、過去の山や谷だけを基準に保有期間を見積もるのが難しくなります。
値幅が小さすぎる形
サヤの上下動が小さくなっています
値幅が小さいまま、緩やかに一方向へ進んでいます
レンジ内に見えますが、直近の値幅は小さくなっています
値幅が小さいペアでは、サヤが動いても利益額が伸びにくくなります。
保有期間が長くなると、貸株料や買方金利などのコストも積み上がります。
私は、往復が見えていても直近の値幅が小さくなっているペアは、期待できる利益と保有コストを比べてから候補に残しています。
動きを確認しやすいサヤチャート
サヤチャートで比較しやすいのは、一定の範囲内で上下へ動き、山と谷の間隔も大きく崩れていない形です。
上下への値動きがあり、過去に折り返した範囲も比較しやすい形です
直近にも上下への往復が見られます
値幅は大きいものの、サヤチャートだけで取引可否は決めません
見るポイントは、ボリンジャーバンドの±2σへ触れた回数ではありません。
中央の移動平均線を挟んで価格比が上下しているか、直近にも一定の値幅が残っているか、山から谷までの期間を読み取れるかを確認します。
候補として比較しやすい形
上下への往復が見える。
直近にも一定の値幅がある。
山と谷の期間を数えやすい。
一方向への動きが長く続いていない。
この形でも、将来の収束や利益を保証するものではありません。
サヤチャートは、値動きの特徴と過去のペースを把握するために使います。
サヤチャートだけで取引を決めない
サヤチャートで分かるのは、直近1年間の価格比の動きです。
2銘柄の関係が安定しているか、現在の乖離がどの位置にあるか、片方だけに個別材料が出ていないかまでは、サヤチャートだけでは判断できません。
取引を検討する際は、別の資料も確認します。
適正乖離率チャート
BLSの基準値から、現在の価格関係がどれくらい離れているかを確認します。
散布図
2銘柄の価格関係を別の角度から確認します。
個別企業の情報
決算、業績修正、増資、M&Aなど、片方だけに出ている材料を確認します。
それぞれの詳しい見方は専用記事へ分けています。
サヤチャートに関するよくある質問
±2σへ到達しただけでは判断できません。
サヤが一方向へ動いている場合は、バンドの外側を推移し続けることがあります。サヤチャートでは値幅と往復期間を確認し、取引可否は別の資料と合わせて判断します。
過去に山から谷まで何日かかったかを、保有期間の参考にすることはできます。
ただし、決算や相場環境によって周期は変化するため、将来も同じ日数で動くとは限りません。
期待できる利益が売買手数料や信用取引コストに負ける場合は、候補から外した方が管理しやすくなります。
値幅だけでなく、想定保有期間とコストも合わせて確認します。
サヤの動き方を確認する補助資料としては使えますが、単独でエントリーを決めるものではありません。
本記事では、値動きの活発度、一方向への偏り、過去の往復期間を見る目的で使用しています。
まとめ|サヤチャートは値動きと保有期間を見る
サヤチャートは、2銘柄の価格比を折れ線で表示し、移動平均線とボリンジャーバンドを重ねたチャートです。
サヤチャートで確認すること
値動きに十分な幅があるか。
上下への往復が続いているか。
一方向へ偏っていないか。
山から谷までにどのくらいの期間がかかっているか。
サヤチャートは、±2σへの到達だけでエントリーを決めるものではありません。
過去の動きから、ペアの活発度と資金拘束期間の目安を確認するために使います。
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サヤチャート
サヤチャートは株のサヤ取りの銘柄選別のサポートに使える折れ線グラフです。
銘柄2 ÷ 銘柄1でサヤ(価格差)の比率をグラフにし、そこへ移動平均線とボリンジャーバンドを表示したものです。
BLSシステムではチャートの分析期間の変更が可能ですが、サヤチャートだけに関しては、用途が直近の値動きの活発度などのチェックなので、1年間固定となっています。
注意していただきたいのは、世の中にあるサヤチャートの多くはボリンジャーバンドの2σにタッチでサヤ取りエントリーのチャンスという使い方がポピュラーなようですが、サヤチャートに用いられているデータは正規分布していないため、2σで逆張りという使い方に優位性はありません。
サヤ取りの価格分析は、散布図とヒストグラムを使うのが正解です。
サやチャートの使い方
サヤチャートはエントリータイミングの判別には使えませんが、株には決算など季節性の固定要因がありますので動きの波がはっきりしているものが多く存在します。
サヤチャートはそういった銘柄の動きを見て、エントリーしてどれくらいで利確ができるのかの目安に使うことができます。
例えば、エントリーと利確の条件が2σと-2σタッチするような波があった場合、

サヤは拡大収縮を繰り返しますので、サヤチャートの動きから、この銘柄のサヤの拡大サイクルは約2~3ヶ月ということがわかります
このサイクルを知ることによって、資金の拘束時間の目安をつけることができます。
また次のようなサヤチャートの場合、
こちらは波の規則性が見えません。つまりエントリーから利確までの時間が読みにくい銘柄ペアということですので、資金の拘束時間を気にする方はでスルー推奨です
入ってはいけないサヤチャート
8月辺りからボリバン2σ(シグマ)を超えて戻りがなくサヤが拡大しています
こちらも一方的にサヤ比が下がり、ボリンジャーバンドも拡大気味です
上記の画像は直近のサヤが一方向に突き進んでいる場合のサヤチャートです。トレンドが出ているので、サヤ取り銘柄ペアの相関が高くても突破されてしまう可能性があるチャートです。
特に世界的に金融緩和が行われている時はお金がジャブジャブの状態ですので、こういう形が増えてきます。サヤ取りにとっては一番苦手な相場でもあります。
さらにボリンジャーバンドが拡大気味な事も勢いの強さを表しています。こういうサヤチャートの形は逆張りで入るのは少し危険ですので、きちんと反発が確認されてから入るかエントリーを見送ったほうが良いでしょう。
値動きが少ないじわじわ系のチャートは利確が難しい
サヤの動きが非常におとなしくなっています
このように動きが少なく一方向に進む形は含み損が増える一方です
レンジではありますが、5月以降値動きが少なく利益が出にくい形です
これらのサヤの値動きが小さいパターンは、サヤが限界まで開いたからといってエントリーすると利確に時間がかかってしまいます。
ですので、基本的には見送る形です。
おすすめのサヤチャートの形
こちらは3月辺りから動きが大きく上も下も抵抗帯がはっきりしている形です
こちらは直近の勢いが強いですが、ボリバンは縮小気味ですので比較的安全
2σを大きく突破しているのでサヤチャートだけでエントリーは怖いですが散布図と組み合わせれば良い形です
良いサヤチャートの形として、直近3ヶ月以内に2σから中央の移動平均線へのタッチが見られたり、中央の移動平均線を何度も突き抜けている形は利益確定がしやすいです。
ひとことで言うと、レンジ内で大きい値動きをしているものが良いということですね。
サヤチャートで値動きの活発度を見てみよう まとめ


