レポ取引とは?
レポ取引は、「買戻し条件付き売買取引」とも呼ばれ、証券を担保として資金を融通する短期金融取引の一種です。
メカニズム:
取引の一方(通常は資金の借り手)が証券を売却し、同時に将来の特定日に同じ証券を買い戻す契約を結びます。
買い戻し価格は、通常、当初の売却価格に利子を加えた金額になります。
目的
資金調達: 証券保有者が短期的な資金を調達する手段として利用します。
資金運用: 余剰資金を持つ投資家が短期的に資金を運用する手段として利用します。
特徴:
短期性: 通常、1日から数週間程度の短期取引です。
低リスク: 担保があるため、比較的低リスクな取引とされています。
流動性: 金融市場の流動性を高める役割を果たしています。
主な参加者:
銀行
証券会社
中央銀行
機関投資家
リスク:
信用リスク: 相手方が契約を履行できないリスク
市場リスク: 担保証券の価値が変動するリスク
規制:
金融危機以降、レポ取引に対する規制が強化され、透明性の向上や適切なリスク管理が求められるようになりました。
レポ取引の流れ
a. 初日(スタート日):
証券所有者(売り手)が証券を買い手に売却します。
買い手は証券の対価として現金を支払います。
b. 満期日(エンド日):
売り手は証券を買い戻します。
買い戻し価格は当初の売却価格に利子を加えた金額になります。
価格設定:
買い戻し価格と当初の売却価格の差額が、実質的な利子となります。
この利子は「レポレート」と呼ばれ、市場の需給や金融政策などにより変動します。
担保管理:
取引期間中、担保証券の価値が変動する可能性があります。
価値が下落した場合、追加担保の提供(マージンコール)が求められることがあります。
取引の種類:
トリパーティ・レポ: 第三者機関が担保管理を行う取引
バイラテラル・レポ: 取引当事者間で直接行う取引
期間:
オーバーナイト: 1日の取引
ターム・レポ: 複数日にわたる取引
中央銀行の利用:
中央銀行は金融政策の一環としてレポ取引を利用します。
市中銀行に短期資金を供給する手段として活用されます。
レポ取引は、金融市場において重要な役割を果たしており、短期金融市場の流動性を支える重要な取引手法の一つとなっています。