発行価額

発行価額の定義

発行価額とは、企業が新株などの株式を発行する際に、株式を引き受ける証券会社などの引受人が、発行企業に対して支払う一株あたりの金額を指します。

発行価額の特徴

  • 新株発行時に均等でなければならない
  • 市場時価に比べて特に有利な価格で株主以外に割り当てる場合、株主総会の特別決議が必要
  • 発行価格とは異なる概念

発行価額と発行価格の違い

発行価額と発行価格は似ているようで異なる概念です:

  • 発行価額:証券会社などの引受人が発行企業に支払う金額
  • 発行価格:投資家が株式を購入する際に引受人に支払う価格

発行価格と発行価額の差額が、引受人(証券会社など)の手取金となります。

発行価格について

発行価格は、株式や債券を新規に売り出す際の価格を指します。

株式の発行価格

  • IPOや公募増資の際は「公募価格」とも呼ばれる
  • 多くの場合、投資家の需要状況等によって決定される(ブックビルディング方式)
  • 1970年代以降、時価発行増資が定着し、市場価格をもとに取締役会が決定

債券の発行価格

  • 必ずしも額面金額と同一ではない
  • パー発行:発行価格が額面金額と同一
  • アンダーパー発行:発行価格が額面金額未満
  • オーバーパー発行:発行価格が額面金額より高い

発行価額・発行価格の重要性

これらの概念は以下の点で重要です:

  • 企業の資金調達に直接影響を与える
  • 投資家の購入価格を決定する
  • 証券会社の収益に関わる
  • 株主の権利保護(特に有利な価格での発行には株主総会の承認が必要)

発行価額と発行価格は、企業の資金調達や投資家の投資判断、さらには証券市場全体の健全性に関わる重要な概念です。これらを正しく理解することは、投資家や企業関係者にとって非常に重要です。