PTS(Proprietary Trading System)
- 定義:証券会社が運営する電子取引システムで、証券取引所を介さずに有価証券を売買することができます。(私設取引システム)
- 法的根拠:1998年12月の証券取引法改正により可能となりました。現在は金融商品取引法で規定されています。
- 取引時間:通常の証券取引所よりも長い時間取引が可能です。例えば、東京証券取引所が閉まった後の夜間でも取引ができます。
- 運営会社:日本では2021年7月時点で、SBIグループのジャパンネクスト証券とチャイエックス・ジャパンの2社が運営しています。
- メリット:
- 取引時間の拡大(夜間取引が可能)
- 取引所に比べて売買手数料が安い場合がある
- 決算発表後や海外ニュースへの迅速な対応が可能
- 課題:
- 取引所と比べて流動性が低い
- 2020年の東証システム障害時に代替市場として十分に機能しなかった
- 注意点:
- 取引所取引と比べて参加者が限定されるため、値動きが大きくなる可能性がある
- 取引前に「私設取引システム取引説明書」などでリスクを十分理解する必要がある
PTSは証券取引の選択肢を増やし、投資家に柔軟な取引機会を提供する一方で、流動性や規制面での課題もあり、今後の発展が注目されています。
PTSの運営会社
PTSの運営会社について
日本では2021年7月時点で、PTSを運営している会社は以下の2社です。
SBIグループのジャパンネクスト証券
チャイエックス・ジャパン
マネックス証券
これらの2社がPTSを運営しており、日本の私設取引システム市場を担っています。PTSの数が限られていることから、まだ発展途上の市場であることがうかがえます。
また、この状況は2020年の東京証券取引所のシステム障害時に、PTSが代替市場として十分に機能しなかった一因とも考えられています。
なお、PTSの利用については、すべての証券会社で直接取引できるわけではなく、一部の証券会社を通じてのみ利用可能です。例えば、マネックス証券ではジャパンネクストPTS第1市場(J-Market)に接続しており、SOR注文を通じてPTS市場へ発注することができます。