散布図の見方|BLSシステムで2銘柄の価格関係を確認する方法
- 点群の向き。
- 点群のまとまり。
- 直近点の位置。
- 期間による形の違い。
散布図は、2銘柄の日々の株価を点の集まりとして表示するチャートです。
BLSでは、相関係数で候補を絞った後、直近の価格関係が、過去の点群から大きく外れていないかを散布図で確認します。
本記事では、散布図の基本、BLS画面の見方、点群がまとまった形と崩れた形の違い、表示期間の比べ方に絞って解説します。
散布図とは
散布図は、二つの数値を縦軸と横軸へ配置し、その組み合わせを一つずつ点で表したグラフです。
例えば、横軸にウエスト、縦軸に体重を取ると、一人分のデータが一つの点になります。
大学生グループのウエストと体重のサンプルデータ

数値の一覧だけでは分かりにくい関係も、散布図にすると点の向きや広がり方を確認しやすくなります。
この例では、ウエストが大きい人ほど体重も重い傾向があり、点群は左下から右上へ伸びています。
このような関係を、正の相関傾向が見られる状態といいます。
相関と因果関係は別のもの
散布図が右肩上がりでも、片方の数値がもう片方を直接動かしているとは限りません。
株価の場合、市場全体、業界共通の材料、為替、原材料価格、金利などが、2銘柄へ同時に影響していることがあります。
散布図で確認できるのは、表示期間内に2銘柄の価格関係がどのような形で現れていたかです。
その関係が生まれた理由や、今後も続く背景は、企業情報や相場環境を別に確認します。
回帰直線は点群の傾向を表す目安
散布図には、点群の傾向を一本の線で表した回帰直線が表示されることがあります。
回帰直線は、横軸の値に対して、縦軸の値がどのあたりに位置しやすかったかを見るための目安です。
価格が将来その線へ戻る力を示したものではありません。
本記事では、回帰直線からの距離よりも、点群全体の向き、帯のまとまり、直近点の位置を優先して見ます。
BLSシステムの散布図で見る4項目
BLSの散布図では、選択した2銘柄の日々の株価を縦軸と横軸に取り、その組み合わせを点として表示します。
青丸は過去のデータ、赤丸は当日、黄丸は前日の位置です。
中央の線は、過去の点群から算出された回帰直線です。
1.点群がどちらへ伸びているか
最初に、点群全体の向きを見ます。
左下から右上へ伸びていれば、横軸の銘柄が高い日に、縦軸の銘柄も高い傾向があります。
ただし、右肩上がりであることだけでは不十分です。
点が広い範囲へ散らばっていたり、途中から別方向へ分かれていたりする場合は、表示期間を通じて同じ関係が続いていたとは判断しにくくなります。
2.点が一つの帯へまとまっているか
次に、点群の広がり方を見ます。
同じ表示条件で比べた場合、点が細い帯へまとまっているほど、2銘柄の価格関係を把握しやすくなります。
一方、帯の幅が途中で変わっていたり、点群が二つ以上の集団へ分かれていたりする場合は、期間中に価格関係が変化した可能性があります。
単に点の幅が狭いかだけではなく、最初から最後まで一つの帯として続いているかを確認します。
3.赤丸と黄丸がどこへ移動したか
赤丸は当日、黄丸は前日の位置です。
この二つを比べると、前日から当日にかけて、2銘柄の組み合わせが散布図上でどちらへ移動したかを確認できます。
赤丸だけが過去の点群から離れている場合は、直近の株価関係に変化が出ています。
このときは、決算、業績修正、増資、M&Aなど、片方の企業に新しい材料が出ていないかを調べます。
4.期間を変えると形がどう変わるか
短期間では一つの帯へまとまっていても、期間を伸ばすと点群が分断されることがあります。
反対に、短期間では点が少なく、偶然きれいに見えている場合もあります。
私はまず直近の期間を開き、その後に少しずつ期間を伸ばしています。
期間を変更しても点群の向きやまとまりが大きく変わらないかを見ます。
点群のまとまりが弱い散布図

この例では、点が一つの帯へまとまらず、広い範囲へ散らばっています。
左下から右上への傾向は見えますが、場所によって点の集まり方が異なり、一本の関係として把握しにくい形です。
まとまりの弱い形で見るポイント
点群が途中で二つに分かれていないか。
直近の点だけが別の位置へ移っていないか。
点群から大きく離れた点が一部に集中していないか。
期間を変えると形が大きく変わらないか。
点群が崩れた理由を確認できないペアは、私は候補から外しています。
点群が比較的まとまっている散布図

この例では、点群が左下から右上へ伸び、一定の幅の中にまとまっています。
前の例と比べると、表示期間内の価格関係を把握しやすい形です。
ただし、散布図から分かるのは、過去の点がどのような範囲へ集まっていたかという事実です。
現在の乖離位置や取引タイミングは、適正乖離率チャートなど別の資料で確認します。
点群のまとまり方を並べて比較する
二つを並べると、点群の向きだけでなく、帯の幅や分断の有無を見る必要があることが分かります。
左下から右上へ伸びているかだけで判断せず、表示期間全体を通して一つの帯が保たれているかを確認します。
散布図の表示期間をどう比べるか
BLSでは、散布図の計算期間を変更できます。
期間を変えると、点の数だけでなく、点群の向きやまとまり方も変わります。
散布図の期間は、長ければよい、短ければよいというものではありません。
直近と長期を見比べ、どの時期から形が変わったかを確認します。
期間を伸ばした途端に点群が二つへ分かれる場合は、その境目付近で事業再編や大型の資本政策など、2銘柄の関係を変える材料がなかったかを調べます。
一時的に離れた後で以前の帯へ戻っているなら、その一日だけを理由に長期データを外しません。
反対に、その時期を境に別の帯が続いている場合は、古い価格関係と現在の価格関係を分けて見ます。
散布図を見るときの注意点
散布図は、2銘柄の価格関係を形で確認するための資料です。
点群がまとまっていても、その後にサヤが縮小することや、回帰直線へ戻ることまでは判断できません。
相関と平均回帰は別に確認する
散布図が左下から右上へ伸びていれば、表示期間内で正の相関傾向が見られます。
ただし、相関があることと、サヤが中央へ戻ることは同じではありません。
散布図で確認できること
2銘柄の価格関係。
点群の向きとまとまり。
直近点が過去の帯から外れていないか。
散布図だけでは判断できないこと
サヤがいつ縮小するか。
現在がエントリー位置か。
過去の帯が将来の限界になるか。
サヤの分布や平均回帰については、専用記事で別に確認します。
回帰直線から離れただけで仕掛けない
赤丸が回帰直線や過去の点群から離れている場合、直近の価格関係に変化が出ています。
しかし、その変化が一時的な需給によるものとは限りません。
片方の企業に決算、業績修正、増資、TOBなどが出ている場合は、これまでとは異なる価格関係へ移っていることがあります。
回帰直線からの距離は、変化に気づくための材料として使い、利益余地とは考えません。
点群から離れた点をノイズと決めつけない
過去の帯から離れた点には、株価データの問題だけでなく、重要な企業材料が反映されている場合があります。
離れた点が見つかったときは、次を確認します。
株式分割や株式併合がなかったか。
元の株価データに欠損や不自然な動きがないか。
片方の企業だけに大きな材料が出ていないか。
その日以降も別の帯が続いていないか。
離れた理由を説明できず、同じような点が増えている場合は、以前の回帰直線をそのまま基準にしません。
散布図と相関係数の使い分け
相関係数は、2銘柄の連動の強さを一つの数値で確認するために使います。
散布図では、その関係がどのような形で現れているかを見ます。
同じ相関係数でも、点群の形は同じとは限りません。
点が一つの帯へまとまっているペアもあれば、途中で帯が分断されているペアや、直近の点だけが外れているペアもあります。
私は相関係数で候補を絞り、その後に散布図で点群の形を確認しています。
数値だけで選ばず、直近の関係が崩れていないかを最後に見ます。
相関係数の計算方法や数値の基準には、本記事では踏み込みません。
散布図では、数値の背景にある点群の形を確認することに集中します。
散布図だけで取引候補を決めない
点群がきれいにまとまっていても、2社の事業内容や外部環境への反応が大きく違う場合があります。
散布図は過去の価格関係を表示しているため、将来も同じ関係が続くかどうかは別に確認する必要があります。
現在の乖離位置は適正乖離率チャート、直近の値動きや往復間隔はサヤチャートで確認します。
散布図に関するよくある質問
右肩上がりであることだけでは判断できません。
点群が一つの帯へまとまっているか、途中で分断されていないか、直近点だけが外れていないかも確認します。
回帰直線から離れたことだけでは判断できません。
個別材料や価格関係の変化によって、点群そのものが別の位置へ移っている場合があります。
長ければよいとは限りません。
直近と長期を見比べ、期間を伸ばしたときに点群が分断されないか、関係が変わった時期がないかを確認します。
まとめ|散布図は2銘柄の関係を形で確認する
BLSの散布図では、2銘柄の日々の株価を縦軸と横軸に取り、その組み合わせを点の集まりとして表示します。
散布図で確認すること
点群がどちらへ伸びているか。
点が一つの帯へまとまっているか。
直近の赤丸と黄丸がどこにあるか。
期間を変えても形が大きく崩れないか。
散布図は、回帰直線へ戻る位置を予測するチャートではありません。
2銘柄の直近の価格関係が、過去の点群と比べて大きく変化していないかを確認するために使います。



