日経225とJPX日経400の違い|サヤ取りで指数採用銘柄を見る注意点
日経225
流動性と業種バランスを考慮して選ばれた225銘柄で構成される、株価平均型の指数です。
JPX日経400
ROE、営業利益、時価総額、ガバナンスなどを評価して選定する、浮動株調整時価総額加重型の指数です。
日経225とJPX日経400は、どちらも日本株を代表する指数ですが、同じ基準で銘柄を選んでいるわけではありません。
日経225は、市場で活発に売買されている企業を業種の偏りにも配慮して選びます。
JPX日経400は、資本効率や利益規模などを使って企業を評価し、原則400銘柄を選定します。
サヤ取りでは、指数グループから候補を絞ることはできますが、指数への採用だけでペアを決めることはできません。
この記事では、日経225とJPX日経400の違いと、構成銘柄をペア候補として見る際の注意点を解説します。
日経225とJPX日経400の違い
| 比較項目 | 日経225 | JPX日経400 |
|---|---|---|
| 正式名称 | 日経平均株価 | JPX日経インデックス400 |
| 構成銘柄数 | 225銘柄 | 原則400銘柄 |
| 主な選定要素 | 市場流動性と業種間のバランス | ROE、営業利益、時価総額、ガバナンスなど |
| 算出方法 | 株価平均型 | 浮動株調整時価総額加重型(1.5%キャップ付き) |
| 指数への影響 | 調整後の採用株価が高い銘柄の影響を受けやすい | 浮動株調整後の時価総額が大きい銘柄の影響を受けやすい |
| 定期入れ替え | 原則年2回 | 原則年1回 |
| 候補選びでの使い方 | 流動性のある代表的な大型株を探す入口 | 資本効率や利益規模を評価された企業を探す入口 |
最も大きな違いは、指数の計算方法です。
日経225は調整後の株価をもとに計算しますが、JPX日経400は市場で流通すると見込まれる株式の時価総額をもとに構成比率を決めます。
日経225とは
日経225は、東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄の中から、市場流動性と業種間のバランスを考慮して選ばれた225銘柄で構成されます。
日本経済新聞社が算出しており、日本株市場の動きを伝える代表的な指数として、ニュースや投資商品の基準に使われています。
株価平均型で算出される
日経225は、各構成銘柄の株価に株価換算係数を掛けて採用株価を求め、その合計を除数で割って算出します。
単純に225社の株価を合計して、225で割る計算ではありません。
株式分割、株式併合、銘柄入れ替えなどがあっても指数の連続性を保てるように、株価換算係数と除数による調整が行われます。
日経225は会社全体の時価総額ではなく、調整後の採用株価を使って計算します。
そのため、時価総額加重型の指数と比べると、採用株価の高い銘柄の値動きが指数へ反映されやすくなります。
値がさ株にはキャップ調整もある
日経225は値がさ株の影響を受けやすい指数ですが、特定銘柄の構成比率が大きくなりすぎないようにする仕組みもあります。
構成比率が定められた水準を超えた銘柄には、キャップ調整済み株価換算係数が適用される場合があります。
2026年4月1日からは、アドバンテストにキャップ調整比率0.9が適用されています。
したがって、日経225を「株価の高い数社だけで無制限に動く指数」と捉えるのは正確ではありません。
一方で、TOPIXやJPX日経400のような時価総額加重型と比べると、値がさ株の動きが指数へ表れやすいという特徴は残ります。
サヤ取り候補として見る場合
日経225の構成銘柄には、売買代金が大きく、市場で広く取引されている企業が多く含まれます。
買いと売りをほぼ同時に発注するサヤ取りでは、流動性のある銘柄を探す入口として使いやすいグループです。
ただし、日経225に採用されていても、信用売りができるか、決算日が重なっていないか、片方だけに個別材料が出ていないかは別に確認する必要があります。
JPX日経400とは
JPX日経400は、JPX総研と日本経済新聞社が共同で算出する株価指数です。
正式名称は「JPX日経インデックス400」で、資本を効率的に活用し、投資家を意識した経営を行う企業を選ぶことを目的としています。
ROE・営業利益・時価総額を使って評価する
JPX日経400の定量評価では、次の3項目が使われます。
3年平均ROE
評価全体の40%。
3年累積営業利益
評価全体の40%。
選定基準日時点の時価総額
評価全体の20%。
ROEと営業利益の比重が大きいため、資本効率と利益規模を重視した指数といえます。
定量評価に加えて、次のような定性項目も加点対象になります。
独立社外取締役や女性役員の選任状況。
IFRSの採用。
決算情報やコーポレートガバナンス報告書の英文開示。
ただし、JPX日経400への採用は、将来の業績や株価上昇を保証するものではありません。
採用後に事業環境や決算内容が変われば、企業評価や株価も変化します。
浮動株調整時価総額加重型で算出される
JPX日経400は、市場で流通すると見込まれる株式の時価総額をもとに構成比率を決めます。
大株主や役員などが保有し、市場で売買されにくい株式を除いて計算するため、1株当たりの株価が高いだけで指数への影響が大きくなるわけではありません。
また、特定銘柄の影響が大きくなりすぎないよう、1銘柄当たり1.5%のキャップが設けられています。
構成銘柄数は一時的に400を下回ることがある
名称には「400」と入っていますが、構成銘柄数は常に400社とは限りません。
上場廃止や株式移転などによって非定期除外が行われても、次の定期入れ替えまで補充されない場合があるためです。
JPX日経400は原則400銘柄で構成されます。
実際に候補を探す際は、最新の公式構成銘柄一覧を確認します。
日経225とJPX日経400の定期入れ替え
指数の構成銘柄は固定されていません。
企業の流動性、業績、時価総額、上場状況などが変われば、定期入れ替えや非定期除外によって採用銘柄も変わります。
サヤ取り候補として指数採用銘柄を見る場合は、現在の採用状況だけでなく、入れ替え時期も確認します。
日経225は原則年2回見直される
日経225の定期見直しは、原則として年2回行われます。
市場流動性や業種間のバランスをもとに採用・除外銘柄が決まり、4月と10月の初めに入れ替えが実施されます。
上場廃止、経営統合、株式移転などがある場合は、定期見直しを待たずに構成銘柄が変更されることもあります。
入れ替えが発表されると、日経225に連動する投資信託やETFは、新しい構成に合わせて売買します。
このため、新規採用銘柄と除外銘柄では、業績とは別に指数連動資金による需給が発生する場合があります。
JPX日経400は原則年1回見直される
JPX日経400では、毎年6月最終営業日を選定基準日として定期選定を行います。
結果は原則として8月第5営業日に公表され、8月最終営業日に構成銘柄が入れ替わります。
選定基準日
毎年6月最終営業日。
選定結果の公表
原則として8月第5営業日。
定期入れ替え
8月最終営業日。
ペアの片方だけが新規採用または除外の対象になると、指数連動資金による一時的な需給差が出る可能性があります。
入れ替え前後にポジションを持つ場合は、両銘柄の採用・除外予定を確認します。
両指数の重複銘柄をどう見るか
日経225とJPX日経400の両方へ採用されている企業もあります。
重複銘柄には、時価総額や売買代金が大きく、多くの投資家に取引されている企業が含まれる傾向があります。
そのため、流動性のある銘柄を探す目安にはなります。
ただし、2社が両方の指数へ採用されていても、2銘柄間のサヤが戻るとは限りません。
指数連動資金は、指数の構成比率に合わせて複数の銘柄を売買します。任意の2社の価格差を一定範囲へ戻す目的で売買しているわけではありません。
決算、金利、為替、原材料価格、事業再編などへの反応が異なれば、重複銘柄同士でも値動きは分かれます。
重複採用は、流動性や市場での注目度を見る材料の一つです。
ペアとして使えるかどうかは、2社の事業内容と直近の材料を確認して判断します。
指数採用銘柄からペアを探すときの注意点
日経225やJPX日経400は、候補銘柄を絞るグループとして使えます。
BLSシステムでも指数別のグループを選べますが、私は候補が出た後に、次の項目を確認しています。

事業内容
同じ指数に採用されていても、収益源や外部環境への反応が異なる企業はあります。
流動性
直近の売買代金と板の厚さを見て、買いと売りを無理なく発注できるか確認します。
信用取引条件
売建ての可否、一般信用の在庫、貸株料、逆日歩の可能性を確認します。
個別材料
決算修正、増資、自社株買い、M&Aなど、片方だけに出ている材料がないか確認します。
指数入れ替え
新規採用や除外の時期と重なっていないかを確認します。
事業構造や外部環境の比較については、次の記事で詳しく解説しています。
日経225とJPX日経400のどちらを使うべきか
サヤ取り候補を探す目的であれば、どちらか一方が常に有利とは言えません。
日経225は、流動性のある代表的な大型株を探しやすいグループです。
JPX日経400は、資本効率、利益規模、時価総額、ガバナンスなどの選定基準を通過した企業から候補を探せます。
私は、指数名だけでどちらかに決めるのではなく、両方のグループから候補を出し、事業内容、決算、流動性、売建て条件を見て残しています。
日経225とJPX日経400に関するよくある質問
流動性の高い企業が含まれる傾向があるため、候補を探す目安にはなります。
ただし、重複採用だけでペアの平均回帰性は判断できません。2社の事業内容、決算、流動性、信用取引条件まで確認します。
安全性を保証するものではありません。
JPX日経400はROE、営業利益、時価総額、ガバナンスなどを使って銘柄を選びますが、採用後の事業環境や業績は変化します。
一律に避ける必要はありません。
ただし、ペアの片方が新規採用または除外の対象になっている場合は、指数連動資金による一時的な需給変化に注意します。
まとめ|指数は候補を絞るために使う
日経225とJPX日経400では、銘柄の選定基準と指数の算出方法が異なります。
日経225
市場流動性と業種バランスを考慮して選ばれた225銘柄で構成される、株価平均型の指数です。
JPX日経400
ROE、営業利益、時価総額、ガバナンスなどを評価して選定する、1.5%キャップ付きの浮動株調整時価総額加重型指数です。
どちらもサヤ取り候補を探す入口として使えます。
指数グループで候補を絞った後に、事業内容、流動性、信用取引条件、個別材料、指数入れ替え予定を確認します。


