株取引に必要な手数料の数々
証券会社が投資家に展開しているものは手数料ビジネスですので、株式にはさまざまな手数料がかかります。
株の取引コストはFXなどに比べて高いと言われていますが、現在はまず「ネット証券」と「総合証券」で料金が大きく変わります。
ネット証券は取引やサポートをなるべく自動化し、オフィスなども小規模で人件費を押さえて運営しているので手数料を大幅に安くでき、FXなどと変わらないレベルにまで安くなってきました。
取引額によって手数料は変わりますが、10万円までの取引でしたら手数料は100円程度、100万円まで取引しても500円前後に収まる証券会社が多いので、最近新規で口座を開く場合は、ほとんどの方がネット証券だと思います。
SBIネオトレード証券 松井証券 SBI証券 楽天証券 SMBC日興証券 など
※株ラボがおすすめしているサヤ取りにはSBIネオトレード証券がコストが安くおすすめです。
総合証券の手数料は高い
ネット証券とは逆に総合証券は電話や対面で営業マンと話して株を売買することができます。大口の方や年配の方などは総合証券を使っている方が多いです。
しかし手数料はネット証券に比べて5倍から10倍(1000円~5000円)はしますし、証券マンがすすめる株が必ずしも利益に繋がらない場合が散見しますので一般の方が総合証券を使うメリットはあまりないと言えます。
個人投資家さんが利用する場面と言えば、ネット証券では取り扱いの少ない海外株を購入する際に、仕方なく総合証券の電話窓口を利用するくらいでしょうかね。
野村證券 大和証券 みずほ証券 岡三証券 など
複雑な信用取引の手数料を解説
株取引には自己資産の範囲内で購入する現物取引と、レバレッジを効かせて大きな取引ができたり、空売りができたりする信用取引があります。
現物取引の手数料としては、ネット証券でしたら売買時にかかる手数料くらいで済みますので料金体系は難しくないのですが、複雑なのは手数料にくわえて金利や逆日歩がかかったりする信用取引の手数料でございます
そこで次からは信用取引の手数料を詳しくご説明していきますね
信用取引の手数料
種類 | 内容 |
取引手数料 | 取引時にかかる手数料(新規・返済の往復かかります) |
買方金利 | 0.9%~4%程度(買いにかかる金利) |
貸株料 | 1.1%~2.25%程度(実質売りにかかる金利) |
品貸料(逆日歩) | 信用売にかかるが、信用買では受け取れる |
その他 | 管理費や名義書換料 |
取引手数料
こちらは信用取引を行う時にかかる手数料です。
「株の手数料」で検索するとたいてい取引手数料が前面にでて比較されます。特にネット証券は取引手数料でお得度をアピールしていまして、最近は価格競争も盛んでSBIネオトレード証券など信用取引手数料が無料の会社なんかもあります。
しかし信用取引の手数料よりも気をつけないといけないのが次の金利です。
買方金利
信用取引というのは証券会社からお金を借りて取引するわけですから、そこに金利がかかります。約定代金に対して◯%という形ですね。
個人投資家からみればここが取引していると見えにくい手数料となり、証券会社にとってはメインの収入になります。
金利の利率ですが信用取引には2種類あるのですが、それによって金利が少し変わります。
一つは証券取引所が認めた銘柄で取引する金利が安めな制度信用取引と、証券会社ごとに取り扱っている銘柄が変わる金利は少し高めな一般信用取引です。
制度信用取引(安め) | 0.9%~3.1%程度 |
一般信用取引(高め) | 2%~4%程度 |
制度信用取引の買いはauカブコム証券の金利3.98%なんて高いものがありますが、代わりに手数料が安かったり、一般信用の買いは野村證券の0.5%なんて安い金利もありますが、代わりに手数料が高かったりするので、そこは取引のスタンスによって使う証券会社を見極める必要があります。(長く持つなら金利の安い会社、短期売買なら手数料が安い会社)
買方金利の計算方法は、例えば100万円分の建玉を持つことになった場合で、金利2.5%のSMBC日興証券で持つ場合・・・
1000000円×0.025(%)÷365日=68.5円(1日あたりの金利)
上記の1日あたりの金利に株を持っている期間をかければトータルの金額がわかります。
貸株料(売方にかかる手数料)
信用取引の空売りは、証券会社から株を借りてくることで成立しています。ですのでこの株の賃貸料としての手数料を払わなければいけません。
制度信用取引 | 1.1%~2%程度 |
一般信用取引 | 1.1%~2.25%程度 |
証券会社によっても変わりますが、概ね買い方よりも安い金利で借りることができます。
品貸料(逆日歩)
逆日歩はサヤ取りや優待クロスにとっては大敵の手数料でして、制度信用取引を行っている場合のみかかります。(重要)
逆日歩はそこまで頻繁に発生するものではないですが、発生する理由としては市場で悪いニュースが出た場合、売方が一気に集中することがあります。そうしますと証券会社が投資家へ貸し出す株が足りなくなるために、どこかから株を調達してこなければいけません。
その調達コストを売方から徴収するために逆日歩がかかるのです。
計算方法などが特殊ですので、下記の記事で詳しく解説してありますので参考にしてください。
その他の費用
口座管理費用・・ネット証券は大抵無料ですが、総合証券に関しては1年毎に3000円などかかる場合があります。
建玉に関する管理費・・新規約定日から1ヶ月毎に1株10銭(税別)の割合で発生します。
名義書換料・・ほとんどの場合、企業決算月には権利確定日がありますが、そこを買いのポジションを持ってまたぎますと売買単位(大抵100株)あたり50円程度かかります。
配当相当額・・権利確定日をまたいで建玉を持っていた場合、配当金の支払時期に税金が源泉徴収された後の金額の授受が必要。
手数料を押さえる裏技「現引き」
このようにさまざまな手数料がかかる株の取引ですが、ここで取引手数料を安くする方法をご紹介しておきます。
SMBC日興証券やマネックス証券など、証券会社によっては現物取引は手数料がかかりますが、信用取引で買う場合は手数料が無料に設定されている会社があります。
もし現物株が欲しい時に場合に、現物取引の手数料はかかるけれども信用取引が無料の証券会社をお使いの場合は、「現引き」を利用することで手数料無料で現物株を購入する事ができます。
現引は信用取引の決済方法の一つで、信用取引で購入した株は通常でしたら反対売買である売りで決済しますが、この信用取引で購入した株を手元の現金で引き取り、現物株に切り替える事をいいます。
通常、現引きは無料でおこなうことができます。
つまり手数料は無料だけど金利がかかる信用取引で買い注文をだして、そのあとすぐに、現引きで手数料かかるが金利のかからない現物株に変えると・・
「手数料がかからずに、金利がかからない現物株を持つことができる」
というわけです。
株に関するいろいろな手数料
ここまで株に関する手数料のご紹介をしましたが、これ以外にも株には様々な手数料が存在します。
例えば、アメリカやロシア株など海外株の購入手数料、長期保有でだいたいどれくらいの金利手数料がかかるのかなどをご説明していきますね。
アメリカやロシア株などの購入手数料目安
証券会社 | 手数料 | 取扱地域 |
SBI証券 | 約定代金の0.45% | 米国、中国、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア |
最低5ドル、最大20ドル | ||
マネックス証券 | 約定代金の0.45% | 米国、中国 |
最低5ドル、最大20ドル | ||
楽天証券 | 1取引25ドル(1,000株まで)、1,000株超は1株2セント | 米国、中国、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア |
投資信託手数料の目安
投資信託は投資家から資金を集めてファンドマネージャーが株式や債券、不動産などに投資して得られた利益を分配する商品です。証券会社や銀行、郵便局などで購入することができます。
投資信託の売却益と、分配金で利益を上げることができますが、元本保証はありません
そして投資信託の手数料ですが、基本的には次の3つに分かれます。
1,購入手数料
2,解約時にかかる信託財産留保額
3,保有期間によって変わる信託報酬
まず1の購入手数料ですが、購入金額の0%~3%程度に設定されています。証券会社や銀行などは高いですが、ネット証券は無料のところが多いです。
次に解約時にかかる信託財産留保額ですが、これはその時の投資信託の基準価格に対して0%~0.5%に設定されています。ネット証券は無料のところが多いです。
そして3の信託報酬ですが、こちらはインデックス型とアクティブ型によって変わります。
信託報酬
信託報酬は保有している間は年単位で設定されている信託報酬手数料を日割りして毎日ひかれる手数料のことです。
投資信託には指標と同じ動きを目指す安定運用のインデックス型と、ファンドマネージャーの実力がでるハイリターンのアクティブ型があります。
インデックス型は総じて信託報酬が安めで、楽天証券の人気の投資信託の例をあげますとだいたい0.2%前後という場合が多いです。
しかしアクティブ型の場合は1%前後が多く、高いところだと3%前後もかかります。
ETF(上場投資信託)の手数料の目安
ETFは日経平均株価やJPX400、TOPIX、NYダウなどに連動するように運用されている投資信託の一種です。
投資信託との違いは上場しているか上場していないか(証券取引所で取引できるかどうか)の違いで、ETFは上場しているので証券取引所で直接購入することができます。
ですので、ETFは投資信託とは異なり、銀行や郵便局では購入できないので証券会社を通じて購入します。
手数料は楽天証券ですと手数料無料のETFが多いですね。ここに投資信託のように信託報酬がかかってくるのですが、年間0.1~1%程度に設定されています。
ネオモバの手数料
ネオモバとはSBIネオモバイル証券の株式投資サービスです。
スマホで取引をすることが前提で作られておりますが、Tポイントカードで国内株式が購入できたり、単元未満株式を購入できます。
ネオモバの手数料は他社と違って取引ごとの手数料ではなく、月間の約定代金の合計額によって月額手数料が決まるという特殊な形態になっていますので、取引スタイルによっては手数料を安く抑えることができます。
※この価格に消費税が加わります
ストリーム(STREAM)を使えば取引手数料が無料!
ストリームは株取引のアプリで、スマートプラスという会社が提供しています。2018年にサービスがスタートしまして日本で初めて株の現物取引と信用取引ともに無料にしました。
スマホでの操作が前提となっておりますが、シンプルなメニューで直感的にわかりやすく、年配の方でも少し使えばすぐに使えるようになるかと思います。
ただし新興証券会社なので投資できるのは国内株式に限られ、NISA、つみたてNISAの取り扱いもありません。しかしそれでも手数料無料のインパクトは大きいです。当HPでおすすめしている株のサヤ取りにも
リリースから2年がたち少しずつ使いやすくなっており、別で利用料金がとられたりもしませんので持っておいて損はありませんね。
ソーシャルステータスのクラス | SS | S | A | B | C | D |
買方金利 | 1.89% | 2.29% | 2.79% | 2.99% | 3.29% | 3.49% |
制度信用/一般信用 | /1.84% | /2.24% | /2.74% | /2.94% | /3.24% | /3.44% |
売方金利 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
貸株料 | 1.15% | 1.15% | 1.15% | 1.15% | 1.15% | 1.15% |
複雑な株式投資の手数料を解説 まとめ