株は証券取引所の取引時間に準じて売買される
株の取引時間は市場が開いている時間=証券取引所(主に東京証券取引所)が開いている時間に準拠しています。
証券取引所は私達の出した注文と別の顧客の注文をつなげてくれる大切な役割を担っており、他に変わるシステムとして一部証券会社が独自に設置している私設取引所(PTS)などもありますが、参加者が少ないため注文がなかなか約定しないなどの問題もあり、証券取引所の代わりとはなりません。
ですので、株の取引というものはこの証券取引所の営業時間に準じておこなわれます。
証券取引所とは?
証券取引所は金融商品取引法に基づいて株式の売買をする市場を解説している組織です。
一応株式会社ですが、法的な規制をかけられているのでお役所のような組織ではあります。
株や債権の売買に関してかなり独占的な地位をもっているために、最近では民間の組織が介入して手数料などの値下げなどを要求されたり、証券会社で株式の売買を可能にしようとする動きもでてきていますので、現在の地位がずっと続くというわけではないようです。
この証券取引所ですが、日本には東京、名古屋、福岡、札幌と証券取引所が4箇所存在しています。
その中でも一番有名な証券取引所は「東証」と呼ばれる東京証券取引所です。ここには多くの企業が上場しており、実際に株のサヤ取りを行う場合も東証に上場している企業中心になるかと思います。
そのため、「証券取引所」といったら基本的には「東証」と思っていただいて大丈夫です。
・東証:3,618社 ←圧倒的に多いです
・名古屋証券取引所:75社
・福岡証券取引所:28社
・札幌証券取引所:16社
証券取引所の営業時間
証券取引所の営業時間ですが、東証とその他3つの取引所で少しだけ営業時間の違いがありますが、基本となる東証の営業時間は次のように決まっています。
※名古屋証券取引所など地方の証券取引所は、この営業時間よりも30分長めに営業しています。
取引所の休日は?
証券取引所の営業日はほぼカレンダー通りとなっています。
土日祝日は休みで、特殊なところと言えばお盆も市場が開くところと、年末年始の休場は12月30日~1月3日まで休みで、4日から(土日が重なったら翌営業日)開場です。
ちなみに、その年の最初の取引は大発会(だいはっかい)といい、年末の最終取引日のことは大納会(だいのうかい)と言います。
海外証券取引所の営業時間
証券取引所 | 日本時間 | 追記事項 | |
OPEN | CLOSE | ||
ニュージーランド | 7:00 | 13:45 | サマータイムは1時間早くなります(9月最終日曜日午前2時 – 翌年4月第1日曜日午前3時) |
中国(香港) | 11:00 | 17:00 | 中国には証券取引所が2つありますが、 海外投資家向けは香港市場 |
ロンドン | 17:30 | 1:30 | サマータイムは1時間早くなります(3月最終日曜日午前1時 – 10月最終日曜日午前1時) |
ニューヨーク | 23:30 | 6:00 | サマータイムは1時間早くなります(3月第2日曜日午前2時〜11月第1日曜日午前2時) |
日本の取引時間はなぜ短い?
世界の証券取引所を見ますとだいたい7時間前後は開いているのですが、日本はなぜか9時から15時の6時間。お昼に休憩が1時間入りますので実質5時間の開場と世界で最も市場が開いている時間が短いです。
長時間労働を美徳とする日本ですが、なぜ株式市場となると短いのか?
実はこれ、昔のなごりなのですが、以前は市場が閉まった15時から一日の取引をたくさんの人の手で計算してまとめていました。
これが大商いの日などは夜中までかかる作業だったために、15時に市場を閉めないと従業員さんたちが家に帰れないといった問題が起こるので早目の15時に閉場していたのです。
しかし現在はコンピューターで自動化されていますので、以前よりも取引時間の変化には柔軟に対応できるようになっています。
取引時間の拡大は何度も話し合われている
証券取引所の営業時間の拡大は2000年、2010年、2014年に金融庁も交えて話し合われています。
東京証券取引所は営業時間の拡大は可能と判断しており、世界市場との競争力を増すための施策として各証券会社や銀行などと協議していました。
しかし取引時間を長くしても多様な参加者が見込めない事や、店頭で注文を受ける対面型証券会社や銀行などからは負担が増えるということで強い反対に合い、いずれも見送られています。
ただし現状、世界三大市場(東京・ロンドン・NY)は時間別で棲み分けができておりますので、他の市場が24時間営業などに乗り出さない限りは急いで拡大する必要も無いと見ています。
証券取引所の営業時間外でも取引できるPTSとは?
PTSとは”Proprietary Trading System”の略で、証券会社が運営している私設証券取引所です。東京証券取引所などとは別物ですので、通常の取引時間外でもリアルタイムで取引ができます。
営業時間としては午前8時20分~午後23時59分までで、契約している証券会社によって多少の誤差はありますが、1日最大14時間以上取引が可能です。
企業の決算発表などは、通常の株取引時間が終わる15時などが多いのですが、その結果を受けてPTSを使えばその日のうちに取引が可能です。
ただし、このPTSで個人投資家が取引できるのはSBI証券、楽天証券、松井証券+マネックス証券(2020年4月より)の4社のみですので注意しましょう。
取引時間毎のトレードの目安
株の取引は、朝9時~10時が一番活発に行われます。この時間帯は前日からの情報を元にみんなが株を買いますので値段もよく動きます。
デイトレーダーや短期売買の人はこの時間を主戦場にしている方も多いですね。
そして10時半になると上海・中国マーケットが開きます。この時間は中国の動きに引っ張られることが多いのと、大口の注文がドカンと入る時間帯でもあります。
そして休憩を挟んで後場ですが、基本的には落ち着いた時間となります。忙しくなるのは大引け前の30分くらいからでしょうか。
大引け前の時間は一日の成績をプラスで終わらせたい短期トレーダーさんや、終値をコントロールしたい大口の投資家などの思惑がぶつかる時間です。
ラスト10分で大きく動いたりもするので、朝9時前後の次によく動く時間帯です。
もし当サイトがおすすめしている株のサヤ取りでトレードを行う場合は基本的に両建てですので、激しく動く時間帯よりもむしろ落ち着いたお昼前後の時間帯のほうが価格の乖離が少ないのでおすすめですよ。