機関投資家とは?
機関投資家とは、顧客の資金を集めて運用する法人の総称です。
皆さんのイメージとして、投資顧問会社などのヘッジファンドが機関投資家の代表格かと思われますが、実際にはGPIFという年金積立金の運用を行う機関や、生命保険会社、損害保険会社、信託銀行などの総称を言います。
日本ですと、野村アセットマネジメント、アセットマネジメントOne(みずほ)、三菱UFJ国際投信が資産額TOP3で、海外ですとブラックロック、ヴァンガードグループなどが有名ですね。
年金を運用しているGPIFが世界最大の機関投資家なんて話もききますが、実際の運用額を見てみると、GRIPが約200兆円程度に対し(十分大きい額ですが)、ブラックロックは約850兆円、ヴァンガードは約700兆円程度と、やはり海外の機関投資家の規模が圧倒的に大きいです。(2021年時点)
機関投資家がいるかどうかの調べ方
SNSでは、「大口がはいっている!」、「機関が買っている!」なんて話をよく目にしますが、これらのつぶやきはおそらくローソク足の動きなどで推測されており、本当に機関投資家がはいっているかは調べずに発言しているというのがほとんどだと思います。
そこで、次からは機関投資家が本当にその銘柄を取引しているかどうかの調べ方を解説していきます。
大量保有報告書で確認する
5%ルールという言葉を聞いたことがありますでしょうか?
上場企業の発行済み株式数の5%超を保有する株主は、原則として「大量保有報告書」を内閣総理大臣に提出する義務があります。
そしてこの大量保有報告書を見ることによって、機関投資家が株を持っているかを判別することができます。
EDINETの調べ方
EDINETの【書類検索】ページで調べたい企業名を入力し、【大量保有報告書】にチェックをいれて検索します。
保有しているファンドの一覧がでてきます。PDFで保有量などの詳細も調べることができます。
空売りネットで調べる
上で紹介したEDINETは公的機関が運営しており、信頼性の高いデータを提供してくれています。
しかし、原本の書類ということでデータが見にくいという弱点があります。そこで手軽に機関投資家がはいっているかを調べるのでしたら、空売りネットやIR BANKを使う方法があります。
空売りネットを開いたら、空欄に調べたい銘柄の企業コードを入力します
こちらは8233高島屋の情報ですが、JPモルガンや野村など複数の機関投資家が参入しているのがわかりますね。
ここが1~2個程度の大口しかいなければまだ良いのですが、3個以上大口の名前があった場合は各社の思惑がぶつかり予期せぬ値動きになることが多いので気をつけましょう。
機関投資家がはいっている銘柄でのサヤ取りは危険?
当サイトで配布しているサヤ取りシステムの根幹として、「2つの同じ動きをしている銘柄を両建てすることによって、純粋に2つの銘柄の価格の高い安いでに焦点を当てられるようになる」という特徴があります。
普段から同じ動きをしている銘柄は、外部要因も同じように受けますので暴落などにも巻き込まれません。
同セクター内で割安・割高の組み合わせで両建てしていると、いずれは他の投資家が参入して適切な方向へ売買しますので、サヤが縮んで利益となります。
しかし多くの機関投資家の場合、単純に割安割高だけでなく、「どこまで利益を伸ばせるか」という部分に焦点をあてて取引を行います。ここには個別株の割安・割高などはあまり関係なく、イナゴを伴って上げたり、なにか事前に情報をもっていたりしますので、多くの場合価格が行き過ぎることがあります。
機関投資家が参入した例「九州電力」
こちらは2021年の9508九州電力の大口空売りです。この時の値動きを見てみますと・・
黄色いゾーンが機関投資家が空売りしたゾーンです。大きく動いているのがわかります。
なお、大口の取引は残高割合が0.5%以下の場合は報告義務がありませんので、空売り一覧には5月13日からの記載しかありませんが、おそらくは5月11~12日から入っているかと思われます。
機関投資家が入っているかを調べる方法まとめ