サヤチャート
サヤチャートは株のサヤ取りの銘柄選別のサポートに使える折れ線グラフです。
銘柄2÷銘柄1でサヤ(価格差)の比率をグラフにし、そこへ移動平均線とボリンジャーバンドを表示したものです。
BLSシステムではチャートの分析期間の変更が可能ですが、サヤチャートだけに関しては、用途が直近の値動きの活発度などのチェックなので、1年間固定となっています。
世の中にあるサヤチャートの多くはボリンジャーバンドの2σにタッチで逆張りという使い方がポピュラーなようですが、残念ながら統計的にはまったく優位性がなく、サヤが行き過ぎかどうかはサヤチャートからは判断ができません。
サヤ取りの価格分析は、散布図とヒストグラムを使うのが正解です。
次の利確時期の目安がわかる
サヤチャートはエントリータイミングの判別には使えませんが、株には決算など季節性の固定要因がありますので動きの波がはっきりしているものが多く存在します。
サヤチャートはそういった銘柄の動きを見て、エントリーしてどれくらいで利確ができるのかの目安に使うことができます。
例えば、エントリーと利確の条件が2σと-2σタッチするような波があった場合、
サヤは拡大収縮を繰り返しますので、サヤチャートの動きから、この銘柄のサヤの拡大サイクルは約2~3ヶ月ということがわかります
このサイクルを知ることによって、資金の拘束時間の目安をつけることができます。
また次のようなサヤチャートの場合、
こちらは波の規則性が見えません。つまりエントリーから利確までの時間が読みにくい銘柄ペアということですので、資金の拘束時間を気にする方はでスルー推奨です
入ってはいけないサヤチャート
8月辺りからボリバン2σ(シグマ)を超えて戻りがなくサヤが拡大しています
こちらも一方的にサヤ比が下がり、ボリンジャーバンドも拡大気味です
こちらは7月になにか材料が出たのでしょう。中央値を超えて急激にサヤが広がっています
上記の画像は直近のサヤが一方向に突き進んでいる場合のサヤチャートです。トレンドが出ているので、サヤ取り銘柄ペアの相関が高くても突破されてしまう可能性があるチャートです。
特に世界的に金融緩和が行われている時はお金がジャブジャブの状態ですので、こういう形が増えてきます。サヤ取りにとっては一番苦手な相場でもあります。
さらにボリンジャーバンドが拡大気味な事も勢いの強さを表しています。こういうサヤチャートの形は逆張りで入るのは少し危険ですので、きちんと反発が確認されてから入るかエントリーを見送ったほうが良いでしょう。
ボリバンが拡大気味で2σ↔-2σまで一気に到達しているチャートは怖い
実はこれ、勝ちやすいチャートと紙一重ですがボリバン拡大気味で勢いあります
こちらもボリバンが拡大気味で勢いづいてます
この形は値動きが良くて上下に活発なので好まれる形なのですが、直近で2σから-2σまで一気に動いていますが、その動いた幅とペースが強すぎるところが怖いです。
これだけ動いたという事は相当大きな材料がでていまして、新たなトレンドが産まれることもあります。「これだけ動いたんだからそろそろ戻るだろう」と予測で動くと一気に殺られる形です。
2σから-2σまで直近で動いていた場合は必ず、一旦の反発を確認してからのエントリーが安全です。
値動きが少ないじわじわ系のチャートはイマイチ
サヤの動きが非常におとなしくなっています
このように動きが少なく一方向に進む形は含み損が増える一方です
レンジではありますが、5月以降値動きが少なく利益が出にくい形です
これらのサヤの値動きが小さいパターンは、サヤが限界まで開いたからといってエントリーすると利確にも損切りにも時間がかかってしまいます。
ですので、基本的には見送る形ですね。
適正乖離率が高値を更新しているチャートも危険
適正乖離率チャートはサヤチャートではわからない勢いの強さを確認できる
サヤチャートが直近の安値を更新していなくても適正乖離率チャートは更新している
勢いのある無しを説明するものとして「サヤ比が直近の高値安値を更新している」ということがありますが、正確に更新しているかどうかを判断するにはサヤチャートよりも適正乖離率チャートを参考にしたほうが正確です。
1枚目の画像ですと4月1日あたりにサヤの高値があることをサヤチャート、適正乖離率チャートともに示しておりここを高値抵抗帯の目安にしますが、現在値を見るとサヤチャートは高値を更新しておりませんが、適正乖離率チャートでは高値を更新しています。
サヤチャートは単に株価2÷株価1の比率ですが、適正乖離率チャートはつねに変動するサヤが、戻るべき適正値からどれくらい離れているかを計算していますので勢いを測るならば適正乖離率チャートのほうが正確です。
ですので、上記の場合はサヤチャートでは高値を更新していませんが、適正乖離率チャートでは更新されていますので勢いがあると判断し、エントリーは見送りです。
おすすめのサヤチャートの形
こちらは3月辺りから動きが大きく上も下も抵抗帯がはっきりしている形です
こちらは直近の勢いが強いですが、ボリバンは縮小気味ですので比較的安全
2σを大きく突破しているのでサヤチャートだけでエントリーは怖いですが散布図と組み合わせれば良い形です
良いサヤチャートの形として、直近3ヶ月以内に2σから中央の移動平均線へのタッチが見られたり、中央の移動平均線を何度も突き抜けている形は利益確定がしやすいです。ひとことで言うとトレンドではない範囲で値動きの幅が大きいということですね。
また、ボリンジャーバンドが拡大していない形などの条件も付け加えておきましょう。
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サヤチャートを極める まとめ