とうもろこしETFの特徴
商品ETFの中でも、とうもろこしETFの主な特徴は以下の通りです。
とうもろこしの価格変動に連動
とうもろこしETFは、先物市場で取引されているとうもろこしの価格変動に連動するよう設計されています。これにより、投資家はとうもろこしの価格上昇から利益を得ることができます。
とうもろこしは小麦と同じ面積で収穫が2~3倍あり、気候が良ければ年3回の収穫が可能、連作障害が起こりにくい、売買単価が良いなどの理由で農家さんから人気の商品です。
また、近年はバイオマス燃料としての利用も盛んで、そのため様々な要因で価格が変動します。
分散投資効果
とうもろこしETFは、株式や債券などの伝統的な資産とは低い相関を示すことが多いため、ポートフォリオの分散効果が期待できます。
市場環境に応じて、とうもろこしETFを組み入れることで、リスクを抑えつつリターンを追求できます。
流動性の高さ
とうもろこしETFは取引所で売買されるため、株式と同様に高い流動性を持ちます。市場の状況に応じて、いつでも売買を行うことができます。
また、とうもろこしETFの保有資産や運用方針は、発行体によって開示されています。投資家は、ETFの特性を理解した上で、自身の投資目的に合ったETFを選択できます。
とうもろこしの価格変動要因
天候や災害
とうもろこしは農作物であるため、気温や降水量によって生育速度や質、収穫時期などが変わるため、天候が価格変動に大きな影響を与えます。
中でもとうもろこしの作付開始のメインシーズンである4月中旬から収穫のメインシーズンである10月~11月にかけての天候が最も重要なポイントとなります。
また、とうもろこしの生産量が世界1位のアメリカで、生産量の多い中西部でハリケーンや干ばつなどの災害が起きると生産量の減少が予測され価格上昇の要因の1つとなります。
とうもろこし生産量ランキング (2015~2017年平均)
①アメリカ
②中国
③ブラジル
④アルゼンチン
⑤メキシコ
【出典】農林水産省
家畜数・食肉需要
アメリカはとうもろこしの生産が多い一方で消費量も多い側面があります。
とうもろこしは家畜用飼料に利用されることも多くあり、家畜の数が多くなるととうもろこしの需要も多くなり、結果とうもろこしの価格が上昇しやすくなります。
一般的に経済が発展すると生活が豊かになり、食肉の需要が増加する傾向があります。
特にアメリカの景気上昇はアメリカの牛肉消費の増加につながり家畜が増えるため価格上昇がしやすくなります。
バイオ燃料の生産
近年、バイオマス燃料の開発が進められて原料である穀物類の需要が高まってきています。
バイオ燃料とは、動植物などから生まれた生物資源であるバイオマスを原料として作られる燃料の事で、石油などの枯渇性資源とは異なり非枯渇性資源であり、二酸化炭素の排出量も増えないため石油燃料の代わりとしても期待されています。
バイオ燃料の材料として穀物類の需要が高まっている中、小麦なども燃料にされるのですが、最もバイオ燃料の材料として利用されているのがとうもろこしです。
近年、原油価格の高騰を受けて今まで以上にバイオ燃料に注目が集まっており、アメリカや中国ではガソリンに再生可能な燃料を混ぜることを政策として掲げていることもあり、今後もとうもろこしの価格に影響を与えることが考えられます。
作付面積・期末在庫
とうもろこしは作付面積によっておおよその生産量が予想できるため、作付面積は投資家にとって注目すべきポイントです。
また、世界のとうもろこしの在庫の増減も、とうもろこし価格に影響を与えます。
とうもろこしが不作の年は在庫が少なくなるため価格が上昇し、豊作の年は在庫率も上がるため価格が下降する傾向があります。
その他穀物の作付け状況
とうもろこしの価格はとうもろこし自体の作付面積だけではなく、三大穀物の残り2つである米や小麦、または大豆など、他の穀物類の作付け状況によっても変動します。
米・小麦・大豆などが豊作であったら飼料として利用する分がとうもろこし以外の穀物に流れることがあり、その結果とうもろこしの需要が減少し価格が下がる要因になります。
逆に米・小麦・大豆などが不作傾向であったらとうもろこしの需要が高まり価格も上昇しやすくなります。
とうもろこしのサヤ取り
とうもろこしをBLSシステムでサヤ取りする場合は、ETFの(1696)WisdomTree とうもろこし上場投信を使います。
小麦などと相関が高く、また世界的な需要がどちらも安定しているので、どちらか一方にサヤが開き続けるという事が少ないです。
また、FXでサヤ取りを行う場合はアービトラージEAなどを使うのもおすすめです。