株の基礎知識

自己資本利益率(ROE)の解説

自己資本利益率ROEの解説
yuki
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本日は「自己資本利益率」(ROE)の解説です!
カオチャイ
カオチャイ
正しくは自己資本当期純利益率と呼びますが、決算短信や有価証券報告書では「自己資本利益率」で定着していますので、ここでもその呼び方で解説させていただきますね
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自己資本利益率(ROE)とは?

ROEとROA

企業サイトや会社四季報などを読むと、必ずでてくるのが自己資本利益率(以降ROE)です。

株価指標ではないですがどちらも企業分析には欠かせない経営指標で、最近は投資家の間だけではなくメディアでもよく使われている用語です。

ROEが表すものは、「自己資本※を元手にその企業がどれくらいの利益を稼ぎ出すことができているか」をチェックするものです。自己資本は本来株主のもので、企業規模に関わらず収益力を測ることができるのが特徴です。

 

※自己資本とは?

自己資本は貸借対照表の純資産のことを言います。株主から調達した資金と企業の利益で構成されており返却の必要がない会社の資金です。

 

ROE(自己資本利益率)の計算方法

ROEはReturn on Equityの略で、自己資本に対してどれだけの利益(Return)を得ることができたかを表しています。

そのため計算方法には「当期純利益」と「自己資本」を利用します。

株主から見れば、自分たちが出したお金をどれだけ効率的に使っているかの目安になりますね。

ROEの計算方法

自己資本利益率(ROE)= 当期純利益 ÷ 自己資本 ×100

※または1株あたりの利益(EPS)÷1株あたりの株主資本(BPS)

 

当期純利益とは年間の収益から経費など全てのコストを差し引いたあとに残る利益です。

一般的にROEの数値は10%程度あれば良いとされ、15%あれば優良企業とされます。

 

ROEが高い有名企業としては、スシロー、シャープ、そして借金の多いソフトバンクがなどがありますね。

ROEが低い企業は、日本通信、レオパレス21、オンワードなどちょっと危険な企業もちらほら入ってきます。

 

ROEを使うと企業の収益性がわかる

ROEは企業の収益性を示す指標ですが、計算式には株価が介在しておりません。(当期純利益 ÷ 自己資本 ×100)

つまり純粋に自己資本を元手にどれくらい利益を稼げるかという指標なので、ROEの数値は企業の規模に左右されず、純粋な収益性を測ることができます。

ですので一般的にはROEが高い企業のほうが株価が上がりやすい傾向があります。

また、リストラや店舗閉鎖などのネガティブ経営判断がニュースが出てしばらくたった後にROEの数値が改善されていたりしますと、投資家は経営状況が改善されていると判断しますので、株価の値上がりが期待できたりします。

 

借金が多いとROEは上がってしまう

ソフトバンクのROE

ROEは財務レバレッジを利用すると数値が変化します。

財務レバレッジとは「負債÷自己資本」の事なのですが、簡単に言いますと手持ちの資産に対して借金が多ければ多いほどROEの値は上がります

上記は9434ソフトバンクのバフェットコード企業情報ですが、10~15%で優良とされるROEの数値が49%を超えております。

しかしこれでソフトバンクが高収益と判断するのは間違いで、ソフトバンクのかかえる借金はなんと10兆円超えで、毎年借金の多いNo.1企業として名前があがります。

ですので、企業を比較する時に、同じ利益と同じ資産を持つ2つの会社比較の場合、借金が多い会社のほうがROEが高くなりますので、ROE単体だけでなく財務諸表も合わせてチェックすることが必要です。

 

ROEが高くても自己資本が小さい会社は注意

ROEと自己資本比率

さきほどお話したように借金が多いとROEの値は高くなってしまうということは、自己資本比率が小さい企業」はROEが高くなります。

自己資本比率の理想は40~50%以上といわれており、東証一部の黒字企業の場合ですと平均30%弱、赤字企業の場合は-4%程度に収まります。

上記は6366千代田化工建設のROEと自己資本比率ですが、ROEが41.8%と優秀な数値ですが、自己資本比率は8.2%と少々頼りない数値になっております。

実際株価も低迷しており、ROEが正常な値を示していない例と言えるでしょう。

 

自己資本比率の計算式

自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)

カオチャイ
カオチャイ
ですので、ROEを使うときは自己資本比率をセットで見て、せめて15%以上ある企業にしぼって使ったほうがより正確な数値がでるとも言えます

 

ROEは成長株を見つけるときに利用する

ROEが特に力を発揮するのは成長株を探すときです。

成長株の株価は、現在の財務内容から形成されると言うよりは、将来生み出す利益によって形成される傾向があります。

下記はROEの異なる会社の比較で、現在はA社はB社の5倍の純資産をもっていますが、A社がROE5%で、B社がROE20%として利益を比べますと、5年後には利益の額の差が1.5倍以上に達しますので、ROEの高い企業の株価のほうが高くなる予想ができます。

 

A社 ROE5% B社 ROE20%
純資産 利益 純資産 利益
現在 50000 2500 10000 2000
1年後 52500 2625 12000 2400
2年後 55125 2756 14400 2880
3年後 57881 2894 17280 3456
4年後 60775 3038 20736 4147
5年後 63813 3190 24883 4976

 

カオチャイ
カオチャイ
この時、ROEが高い事とと合わせて増収増益銘柄という条件があればより安心ですね!
yuki
yuki
当サイトでおすすめしているサヤ取り手法でも、買い銘柄はROEの値が伸びている企業をおすすめしておりますよ!

 

自己資本利益率(ROE)の解説 まとめ

yuki
yuki
このようにROEを使うことによって株価の将来の値上がり予測ができますね 
カオチャイ
カオチャイ
もちろん単体で利用するのではなく複数の指標の組み合わせで測ることが大切ですが、ROEはかなり重要な指標なのでしっかり理解してくださいね!
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