株の基礎知識

【企業分析】会社の大株主が株価に与える影響は?

大株主
yuki
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今回は四季報や、バフェットコードに書いてある大株主や、構成株主についてのお話です
カオチャイ
カオチャイ
大株主に誰がはいっているかで今後の株価の動きをある程度予測することができます

企業の大株主とは?

大株主とは、企業の株式の大多数を保有している株主のことで、具体的には発行済み株式に対する持ち株比率が高い株主のことを指します。

何%以上で大株主という基準はありませんが、議決権のある発行済み株式の100分の10以上を保有する株主を「主要株主」といい、主要株主の中で最も多くの株式を所有している株主を「筆頭株主」といいます。

また、半数以上の株主を保有している法人株主のことを親会社といいますが。

この主要株主の行動はしばしば企業の株価に影響するので、ここでは特に注意すべき株主をご紹介します。

 

大株主の調べ方

大株主を調べるためには四季報を見るのが一番早いです。

手数料の安いネット証券などは四季報情報が無いことも多いですが、対面販売なども行う総合証券会社の多くは自社サイトに「四季報」を持っています。

SMBC日興証券の場合

四季報株主情報 個別企業の情報を開いてから「四季報」欄をクリックします

 

四季報株主情報すすると株主情報一覧が表示されます

 

バフェットコードの場合

もし四季報情報を持たないネット証券などをお使いでしたらバフェットコードで株主情報を調べることができます。

銘柄画面を表示しますと左側に「大株主」というタグが表示されます。これはその企業の株を多く持っている株主一覧を見ることができます。

大株主

 

持ち株比率が多いと権限が強くなる。

大株主のタグを開くと見ることができる持株比率ですが、これはその会社の発行済株式総数に対し、株主が保有する株式の割合のことです。

この持ち株比率によって、企業の最高決定機関である株主総会で重要な意思決定を行うことができます。

持株比率1%以上 株主総会で意見を提出できる
持株比率3%以上 株主総会の招集、会社の帳簿を見ることができる
監査役の選任を請求することができる
持ち株比率1/3以上 取締役の解任や合併や解散などの決定を覆すことができる
持ち株比率1/2以上 単独でほとんどの意思決定が可能
取締役の解任など特別決議に関しては別
持ち株比率2/3以上 取締役の解任や、解散などの決定権がある

 

上記の議決権を踏まえ、企業同士の関係で「資本業務提携」という言葉がありますが、これは技術提供や意見交換をして事業を大きくすることを狙っていますが、提携先の企業が株式を一定割合保有することによって、具体的に経営の権限を持った上で行う場合も多いです。

業務提携は情報の流出などが考えられますが、提携企業の株を持つことによって裏切りにくい環境が整います。

 

カオチャイ
カオチャイ
日本では株主の意見がしばしばないがしろにされますが、海外では株主の意見が非常に強く、日本もその風潮が高まってきています
yuki
yuki
物言う株主として米Twitter株の4%を保有するエリオットマネジメントがTwitterのCEOの解任要求をするなどで株価が大きく動きニュースになったできごともありましたからね

 

株主の構成について

株主情報を開きますと、大抵は名前の欄に○%などの持株比率が記載されています。

これでどんな株主がどの程度株式を保有しているのかがわかるのですが、この比率を見ることで運営の実態をある程度予測することができます。

 

創業者や経営者の持ち株比率が多い企業

藤田エンジニアリング

上記はバフェットコードから見ることができる1770藤田エンジニアリングの大株主の名簿です。

大株主の項目を見ますとこのように持ち株比率が表示されるのですが、特徴的なのが創業一族であり代表取締役の藤田実氏が筆頭株主で、そのあとには会社の関係者で構成される藤田エンジ取引先持株会、社員の持株会があり、その後にも息のかかった資産管理会社や親族の名前が続いていきます。

これは何を意味しているかと言いますと、この藤田エンジニアリングは「オーナー企業」ということを表しています。

オーナー企業の特徴としては、他の株主の意向を気にする必要がないので会社の経営判断がスムーズにおこなえます。

そのため、急成長している企業にはオーナー企業が多い傾向があります。

ですので、オーナー企業の決算などを見て売上が伸びているようでしたら、経営判断が時代に合致しており、かつ株主の意見が通りにくいのでこのまま将来も期待できると判断して良いでしょう。

 

オーナー企業のデメリット

オーナー企業にはオーナーが強い権限を持つがゆえの特有のリスクが存在します。

それはオーナーが株式公開買い付け(TOB)を行う可能性があるということです。

TOBは市場外で対象の株式を短期間に大量に買い付ける事で、現在の市場価格よりも高値で株が買われることが多いです。

もちろん株価は上がることが多いのでそこで利益になって売れればよいのですが、もしも引き続き株の保有を望む場合は、「上場廃止リスク」を考えなければいけません。

オーナー企業ではより一層強い権限を執行するために、一旦上場廃止して経営を抜本的に立て直すことなどがあります。

ガストなどのファミリーレストラン事業が主力のすかいらーくは、以前5万人もの株主を抱えており、経営の意見が通りにくい状態でした。

そこですかいらーくは2006年に会社をつくり直すために経営陣による買収(MBO)を行い上場廃止をしました。

その8年後の2014年に再び東証一部に上場しましたが、非上場の期間は流動性がありませんので株を持っていても換金が困難になりました。

このようなリスクが「オーナー企業」にはありますので、特に株価が下降している時は、TOBがおこなわれやすい(株価が安くなると株を買い集めやすい)ので取引には注意が必要です。

 

外国法人の比率が多い企業

日本には世界的な企業も多いので、海外の法人ももちろん購入します。株式全体について見てみますと最近は落ちついていますが、一時期は日本市場の売買金額の半数が外国法人だったこともあります。

基本的に外国法人が購入する株というのは東証一部上場企業で時価総額が大きく流動性が高いものが好まれ、さらに海外売上高比率が高い企業が選ばれる傾向があります。

また、外国法人が大株主になった場合は積極的に経営に参加してきます。そのため一時的にROEなどが改善されることがありますが、外国法人は長期で日本株をもつ事は少なく、3~4ヶ月で撤退する場合も多いので、一気に上がり一気に下がるという事も少なくないので注意が必要でしょう。

 

日本マスター・日本トラスティ信託口とは?

四季報株主情報

四季報情報を見ていると、日本マスター信託口や日本トラスティ信託口、資産管理サービス信託銀行という株主名を見る機会があります。(2020年7月にJTCと日本トラスティと資産管理サービス信託銀行は合併して日本カストディ銀行に変わりました)

これは資産管理信託銀行(カストディアン)といいましてで、機関投資家から株式や債券などの有価証券を預かり、取引の管理を代行する金融機関です。

機関投資家というのは生命保険会社、投資信託会社、年金基金(GPIF)などの超大口で、外国法人に比べて配当金などを求めて長く持つ傾向がありますので安定株主と言えるでしょう。

 

カオチャイ
カオチャイ
ちなみに年金機構などがなぜわざわざ資産管理信託銀行を通して取引するのかと言いますと匿名性を保つのが理由とされます
yuki
yuki
例えばGPIFなどが買っている事が市場に見えてしまいますと提灯買いがついてしまいますからね。市場の公平性を保つために信託銀行が使われるのです

 

財務大臣が大株主の企業

財務大臣が株主

バフェットコードの大株主の欄を見ていると、たまに「財務大臣」の名前が筆頭株主に記載されていることがあります。

これは国が企業の株式を保有しているということで、日本電信電話など元国営の企業などに多いです。

国が株主の場合、保有している特定の企業の株を売ることはあっても、なにか特別な理由がない限りわざわざ買い集めることはありませんので、これは将来的な売り圧力になります。

短期的な売買に関しては問題ありませんが、長期スタンスの投資家さんは注意が必要です。

 

株主を見ると企業の関係がわかる(オリエンタルランド)

4661オリエンタルランドといえば千葉のディズニーランドを運営する会社です。このオリエンタルランドの株主情報を見てみますと筆頭株主には9009京成電鉄の名前がでてきます。

2020年3月の時点で持株比率は22%を超えており、京成電鉄の時価総額5000円前後(2020年9月時点)に対し、オリエンタルランド時価総額は5兆円近くある中でこの数値は突出していますが、元をたどりますと京成電鉄が米ディズニーを誘致しての東京ディズニーランド開業という流れでありますのでこの持ち株比率も自然なものでしょう。

また、オリエンタルランドは京成電鉄の子会社ということですが、米ディズニーとの契約でディズニー以外の関連会社の名前が記載できないので明記はされていません。

 

両者の株価の関係

相関関係

こちらはオリエンタルランドと京成電鉄の散布図です。株サヤ取りのBLSシステムを使って表示しています。(コロナ以前の8年分期間で表示しています)

この両者の関係は非常に相関が強いもので、片方が上がればもう片方も上がるという共栄の形になっています。

京成電鉄はオリエンタルランドの決算に引っ張られるため、他の鉄道会社とは違った動きをすることも多いです。そういうことを踏まえると京成電鉄の株を購入するときは鉄道関連の動きを見るよりもオリエンタルランドの動向を見たほうが良いということがわかります。

 

株式を大量に保有するときは大量保有報告書が必要

持ち株比率が5%を超えて保有するかその後1%以上の増減などがあった場合、株主は5営業日以内に財務局へ大量保有報告書を提出する必要があります(5%ルール)

これは金融商品取引法に基づくもので課徴金などの罰則もある厳しい規則です。

この報告書が無いと個人投資家は誰がどれくらい株を買っているのかがわからず市場の透明性を阻害してしまいます。

また、主要株主の変化は会社の経営方針に大きな影響を及ぼしますし、M&Aの前兆を知る手がかりにもなりますので重要な情報と言えるでしょう。

 

大量保有報告書は金融庁のEDINETでチェック

EDINETとは投資家への情報提供の公平性の確保や、一連の手続きを電子化する目的で作られた株式等の開示書類に関する電子システムのことです。

内閣府の使用するコンピューター・提出会社の使用するコンピューター・金融商品取引所(及び金融商品取引業協会)のコンピューターを結んで、金融庁が管理しています。

 

EDINETの使い方

EDINET

EDINETのページより「書類検索」ページから「提出社/発行者/ファンド欄」に見たい企業のコードをいれて、書類種別で「大量保有報告書」をチェックして検索をかけます。

 

大量保有報告書

検索結果ページから上記のPDFが確認でき、大口の売買量の確認ができます。

 

【企業分析】会社の大株主が株価に与える影響は? まとめ

yuki
yuki
オーナー企業の有名所ではトヨタ、イオン、セブン&アイHD、デンソーなど名だたる企業の名前があがります
カオチャイ
カオチャイ
企業の実力としても、オーナー企業は非オーナー企業に比べて優位性があると言われています
yuki
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もし長期で保つ場合などは株の銘柄を選別する条件にいれてもよいかもしれませんね!
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