株の配当金はいつもらえる?初心者向けに権利付き最終日・NISA・いくら貰えるかを解説
- 株の配当金が支払われる仕組み
- 配当を受け取るために株を買う日
- 権利付き最終日・権利落ち日・権利確定日の違い
- 配当金の受取方法と新NISAの注意点
- 配当利回りと配当性向の計算方法
株の配当金は、企業が利益などの一部を株主へ還元するものです。
株を持っていれば必ず支払われるわけではなく、配当を実施するか、1株あたりいくら支払うかは企業が決めます。
また、配当を受け取るには、企業が定めた権利確定日に株主名簿へ記載されている必要があります。
この記事では、配当を受け取る条件、入金される時期、受取方法、金額の計算までを順番に解説します。
株の配当金とは?企業から株主への利益還元
配当金とは、企業が得た利益や蓄積した資金の一部を、株主へ現金で還元するものです。
一般的には「1株あたり○円」という形で発表され、保有株数に応じて受取額が決まります。
たとえば、1株あたりの年間配当が50円の銘柄を100株保有している場合、税引前の年間配当は5,000円です。
50円 × 100株 = 5,000円
配当の回数は企業によって異なります。
年1回の企業もあれば、中間配当と期末配当の年2回に分ける企業もあります。四半期ごとに配当する企業もあります。
一方、利益を設備投資や研究開発へ優先して回すため、配当を実施しない企業もあります。
配当金・株主優待・自社株買いの違い
企業が株主へ利益を還元する方法は、配当金だけではありません。
| 還元方法 | 内容 |
|---|---|
| 配当金 | 保有株数に応じて現金を支払う |
| 株主優待 | 自社商品、商品券、割引券などを提供する |
| 自社株買い | 企業が市場から自社の株式を買い戻す |
自社株買いは、配当のように株主へ現金が直接振り込まれる仕組みではありません。
市場に出回る株式数を減らし、1株あたり利益などへ影響を与える可能性がある株主還元策です。
株の配当金をもらうには権利付き最終日までに買う
配当を受け取るには、企業が定めた権利確定日に株主名簿へ記載されている必要があります。
株式の売買が成立してから受け渡しまでには日数がかかるため、権利確定日に株を買っても間に合いません。
通常は、権利確定日の2営業日前にあたる「権利付き最終日」までに株を買います。
東証の現物株を通常の立会取引で購入する場合は、権利付き最終日の取引終了時刻である15時30分までに売買を成立させる必要があります。
権利付き最終日・権利落ち日・権利確定日の違い
| 名称 | 意味 |
|---|---|
| 権利付き最終日 | 配当を受け取るために株を買える最後の取引日 |
| 権利落ち日 | この日に買っても今回の配当を受け取れない日 |
| 権利確定日 | 企業が配当を受け取る株主を確定する基準日 |
権利落ち日は、通常、権利付き最終日の翌営業日です。
権利付き最終日までに株を購入していれば、権利落ち日に売却しても、今回の配当を受け取る権利は残ります。
ただし、配当を受け取れるから利益になるとは限りません。
権利落ち日には、配当を受け取る権利がなくなる分を考慮して基準値段が調整されます。市場環境や業績によっては、配当額を上回る株価下落が起きることもあります。
配当だけを目的に権利付き最終日の直前で買う場合は、配当額と株価変動の両方を見る必要があります。
権利付き最終日は企業ごとに確認する
3月末や9月末を権利確定日にしている企業は多いものの、すべての企業が同じ日ではありません。
月末が休日の場合や、月末以外を権利確定日にしている企業もあります。
購入前に、証券会社の銘柄情報、企業のIRページ、取引所が公表する配当落・権利落情報を確認してください。
配当金はいつ振り込まれる?
配当金が支払われる日は、企業ごとに異なります。
期末配当の場合は、定時株主総会などで配当が決まったあとに支払われることが多く、権利確定日から実際の入金まで数か月かかる場合があります。
中間配当は、取締役会で決議されたあとに支払われるのが一般的です。
正確な支払開始日は、企業の決算短信、配当のお知らせ、株主総会招集通知などで確認できます。
証券口座で配当を受け取る設定にしている場合は、支払開始日以降に口座の入出金履歴へ反映されます。
配当金の4つの受取方法
国内上場株式の配当金には、主に4つの受取方法があります。
| 受取方法 | 特徴 |
|---|---|
| 株式数比例配分方式 | 保有株数に応じた配当金を証券口座で受け取る |
| 登録配当金受領口座方式 | 複数銘柄の配当金を指定した銀行口座で受け取る |
| 配当金領収証方式 | 郵送された配当金領収証を使って受け取る |
| 個別銘柄指定方式 | 銘柄ごとに指定した銀行口座で受け取る |
証券口座へ自動入金したい場合は、株式数比例配分方式が管理しやすい方法です。
複数の証券会社を利用している場合、受取方式の変更が他社口座にも反映されることがあります。設定前に各証券会社の案内を確認してください。
新NISAで配当を非課税にする場合の注意点
新NISAで保有する国内上場株式などの配当を非課税で受け取るには、証券会社を通じて受け取る株式数比例配分方式を選ぶ必要があります。
銀行口座で直接受け取る方式や配当金領収証方式では、NISA口座で保有している株でも課税扱いになる場合があります。
新NISAで国内上場株式などの配当を非課税にする場合
配当金受取方法を「株式数比例配分方式」に設定する
この注意点は、国内上場株式などの配当についてのものです。
投資信託の分配金は、通常、販売会社を通じて支払われるため、同じ受取方式を選ぶ仕組みではありません。
新NISAで個別株やETFを購入する場合は、買付前に証券口座の配当金受取設定を確認してください。
株の配当金はいくらもらえる?基本の計算方法
配当金は、企業が公表する「1株あたり配当金」と自分の保有株数から計算できます。
受取配当金(税引前)=1株あたり配当金 × 保有株数
たとえば、1株あたり年間60円の配当を予定している銘柄を100株保有している場合、税引前の年間配当は6,000円です。
60円 × 100株 = 6,000円
中間配当と期末配当に分けて支払う企業では、年間配当の全額が一度に入金されるわけではありません。
年間60円のうち、中間配当30円、期末配当30円であれば、100株保有時の支払額はそれぞれ3,000円です。
なお、配当予想は業績や会社方針によって変更されることがあります。
購入時に表示されていた配当金が、そのまま確定するとは限りません。最新の配当予想と修正履歴は、企業の決算短信やIR情報で確認してください。
配当利回りとは?投資額に対する配当の割合
配当利回りは、現在の株価に対して年間配当金が何%にあたるかを示す指標です。
配当利回り(%)=1株あたり年間配当金 ÷ 株価 × 100
たとえば、株価2,000円、1株あたり年間配当60円の場合、配当利回りは3%です。
60円 ÷ 2,000円 × 100 = 3%
配当利回りを使うと、株価や配当額が異なる企業を同じ基準で比較できます。
ただし、配当利回りは株価が下がると高く表示されます。
- 株価が1,500円なら配当利回りは4%
- 株価が2,000円なら配当利回りは3%
- 株価が3,000円なら配当利回りは2%
年間配当が同じ60円でも、株価によって表示される利回りは変わります。
配当利回りは比較の入口として使い、配当を維持できる業績や財務内容があるかは別に確認します。
配当性向とは?利益のうち配当に回した割合
配当性向は、企業の利益のうち、どの程度を配当へ回しているかを示す指標です。
一般的には、1株あたり当期純利益と1株あたり配当金を使って計算します。
配当性向(%)=1株あたり配当金 ÷ 1株あたり当期純利益 × 100
たとえば、1株あたり当期純利益が200円、年間配当が60円の場合、配当性向は30%です。
60円 ÷ 200円 × 100 = 30%
配当性向が低い企業は、利益の多くを設備投資、研究開発、借入金の返済などへ回している可能性があります。
一方、配当性向が高い企業は、利益の多くを株主へ還元していると考えられます。
ただし、何%なら安全という一律の基準はありません。
適切な水準は、業種、事業の成長段階、利益の安定性、企業の配当方針によって異なります。
また、一時的な減益や特別配当などによって、配当性向が100%を超える場合もあります。
100%を超えたという理由だけで危険と決めず、次の項目を確認してください。
- 本業の利益が減っていないか
- 配当が通常配当か特別配当か
- 営業キャッシュフローで配当を賄えているか
- 過去の配当推移に無理がないか
- 会社が示している配当方針
企業の決算や配当履歴を確認する場合は、決算短信、適時開示、企業のIRページを見ます。
高配当株を配当利回りだけで選ばない
配当利回りが高い銘柄は、受取額が多く見えるため魅力的です。
しかし、高利回りだから安全な銘柄とは限りません。
高い利回りになる理由は、大きく分けて2つあります。
- 企業が配当金を増やした
- 株価が下落したため、計算上の利回りが上がった
注意が必要なのは、業績悪化などで株価が下がり、配当利回りだけが高く見えているケースです。
現在の配当が維持されるとは限らず、会社が減配を発表すれば、受取予定額が減る可能性があります。
高配当株を確認するときは、少なくとも次の項目を見ています。
- 売上高と利益の推移
- 営業キャッシュフロー
- 1株あたり利益と配当金の推移
- 配当性向
- 会社の配当方針
- 借入金や自己資本の状況
連続増配の実績も参考にはなりますが、将来の増配を保証するものではありません。
増配年数だけでなく、現在の利益とキャッシュフローで配当を続けられるかを確認する必要があります。
権利落ち日に株価が下がることがある理由
権利落ち日には、今回の配当を受け取る権利がなくなります。
取引所では、配当相当額などを考慮して、権利落ち日の制限値幅の基準となる値段を調整します。
ただし、これは実際の始値を決めるものではありません。権利落ち日の始値やその後の株価は、当日の売買注文によって決まります。
そのため、配当額と同じだけ下がるとは限らず、上昇する場合も、配当額以上に下落する場合もあります。
- 市場全体の上昇や好材料があれば、権利落ち日でも上昇する
- 悪材料や地合いの悪化があれば、配当額以上に下落する
- 権利付き最終日まで株価が上がるとは限らない
「権利直前に買い、翌日に売れば配当だけ受け取れる」と考えても、株価下落によって配当額以上の損失が出ることがあります。
配当を受け取ることと、売買全体で利益が出ることは分けて考えてください。
信用売りでは配当金を受け取れない
現物株や信用買いの建玉を権利付き最終日まで保有している場合は、配当に関係する受け取りがあります。
一方、信用売りの建玉を保有している場合は、配当金を受け取る側ではありません。売り建玉では、信用取引の仕組みを通じて、配当相当額を調整するための配当落調整金を支払うことがあります。
配当落調整金は、現物株の配当金そのものではなく、信用取引で買い方と売り方の経済的な差を調整するための金額です。
株のサヤ取りで権利日をまたぐ場合は、買い側の受取額と売り側の支払額が同じにならない点にも注意してください。
株の配当金に関するよくある質問
単元未満株を取り扱う証券会社で1株を保有している場合でも、企業が配当を実施すれば、保有株数に応じた配当を受け取れます。ただし、証券会社のサービス内容や取扱銘柄は事前に確認してください。
権利付き最終日までに売買が成立し、権利確定日の株主名簿へ記載される条件を満たせば、権利落ち日に売却しても今回の配当を受け取れます。ただし、権利落ちによる株価下落で損失が出る可能性があります。
課税口座で受け取る上場株式の配当には、原則として20.315%の税金が源泉徴収されます。申告不要とする方法のほか、条件に応じて総合課税や申告分離課税を選ぶ場合があります。
新NISAで保有する国内上場株式などの配当を非課税にするには、株式数比例配分方式で受け取る必要があります。銀行口座で直接受け取る方式などでは課税される場合があります。
あります。業績や財務状況、会社の配当方針によって、増配、減配、無配への変更が発表されることがあります。最新情報は企業の決算短信や適時開示で確認してください。
まとめ|配当額だけでなく権利日と業績も確認する
株の配当金を受け取るには、権利確定日ではなく、権利付き最終日までに株を購入する必要があります。
受取額は、1株あたり配当金と保有株数から計算できます。
配当利回りは銘柄比較に便利ですが、株価下落によって高く見えている場合もあります。
- 権利付き最終日を企業ごとに確認する
- 1株あたり配当金と保有株数から受取額を計算する
- 新NISAでは配当金の受取方式を確認する
- 配当利回りだけでなく業績と配当性向を見る
- 権利落ちによる株価下落も考慮する


