配当金とは?
配当金とは、株を購入してくれた株主に対して、企業が得た利益の一部を株主へ還元するものです。
商品券やサービスなどで還元する事もありますがそちらは優待と呼びます。
配当は企業によって値段が変わり、利益を設備投資に回すベンチャー企業や利益がでていない会社は配当金はださなかったり、もし利益がでても自社株買いなどの還元方法を取る企業も多いです。
逆に配当を多く出すことによって投資家を募り、株価を維持している企業もありますが、高配当=経営が良いとは一概にいえないところもあります。後ほど詳しくご説明しますね。
配当を貰うためにはどうする?
さて、配当を手に入れるためには、株の現物を、権利付き最終日にもっていなければいけません。権利付き最終日というのは企業によって日にちは多少ずれますが、基本的には決算月の月末です。
どのような流れになっているかと言いますと・・・
26日(日) | 27日(月) | 28日(火) | 29日(水) | 30日(木) | 31日(金) | 1日(土) |
権利付き最終日 (この日までに株を購入) |
権利落ち日 | 権利確定日 (株主の権利が確定!) |
権利付き最終日:この日に現物で株をもっている人が、2日営業日後の権利確定日に配当をもらう権利をもらうことができます。
権利落ち日:ここで株を手放しても配当を貰う権利はあります。
権利確定日:配当が貰える権利が確定する日です。
ちょっとややこしいですが、株主名簿に名前の記載などの手続きは即日ではできないのでこういう時間のズレが起こりますが、まあ要するに権利付き最終日に現物株を持っておけばあとはいつ手放してもOKということです。
配当はいつ・どうやって受け取るの?
株式数比例配分方式 | 証券会社に預けている数量に応じての配当金がそれぞれの証券会社の口座に入金される。REITやETFの分配金も同様 |
登録配当金受領口座方式 | 復数の証券会社に口座が分かれていても、株数に応じて一括で振り込んでもらう |
配当金領収書方式 | 自宅に「配当金領収書」が届くので、それを指定の金融機関(大抵ゆうちょ銀行)に持っていって交換してもらう |
個別銘柄指定方式 | 事前に手続きをしておいて、銘柄ごとに指定した金融機関に振り込んでもらう |
配当金の受け取り方は上記の4種類があります。
株主のお好みで選んでよいのですが、NISA口座で配当金の税金(約20%)は、株式数比例配分方式で受け取らないと非課税にならないので注意が必要です。
次に配当が貰える時期については、こちらもさまざまですが、だいたい権利確定日の2~3ヶ月後が多いです。
年に1~2回配当を配る企業が多いですが、ホンダや、あおぞら銀行などは年に4回の配当があったりしますよ。
企業名 | 配当利回り | 配当性向 |
ホンダ(7267) | 3.99% | 30% |
あおぞら銀行(8304) | 6.03% | 50% |
ホギメディカル(3593) | 2.10% | 32.30% |
光通信(9435) | 1.53% | 31.35% |
GMOインターネット(9449) | 1.70% | 33.10% |
GMOフィナンシャルHD(7177) | 5.41% | 50% |
リソー教育(4717) | 2.48% | 103% |
リンクアンドモチベーション(2170) | 1.31% | 36.90% |
スミダコーポレーション(6817) | 2.37% | 25% |
日本創発グループ(7814) | 2.91% | 25% |
配当はいくら貰える?
配当は1株あたりいくらの金額で表示されます。上はバフェットコードの、8411みずほフィナンシャルグループの配当情報ですが、右の配当・会予というところに8円(四捨五入されていまして実際は7.5円ほどです)と表示されていますが、こちらは1株につき約8円の配当がでるということです。
つまり最低単元数(単位)の100株(12000円分)を購入すると、100×8の約800円が年間貰えるわけですね。
また、配当利回り6.3%となっていますが、これは株価120円に最低単元数の100株をかけると12000円となりますが、さきほどの約800円を12000円で割ると配当利回りが6.3%くらいになります。(表示が四捨五入されるのでちょっと誤差出てます)
通常復数の企業を比べる時に、配当金額を使うと株価などが違うのでやりにくいのですが、この配当利回りを使えば企業同士の比較が容易にできます。
また、画像右側に配当性向(はいとうせいこう)というものがありますが、こちらは企業が利益のどれだけを配当に回すかの基準です。
表示では197%となっていますが、これですと利益以上に配当を出すことになってしまいますが、これはコロナ暴落があった時期の数値ですのでのちに修正されるかと思います。
ちなみに配当性向は高ければよいというものではなく、当然利益がなければ企業は成長しませんので、あまりに高すぎるもの問題です。目安は30%程度と言われていますが、成熟した企業は当然もっと高くてもいいですし、これからまだまだ成長余地のある企業はなしでもよろしいかと思います。
高配当だからといって良いとは限らない
こちらは高配当の石油会社エクソンモービルですが2014年から右肩下がりです
市場を見回すと、高配当金の銘柄がたくさんあります。しかし高配当が必ずしも良いこととは限りません。
例えばまだまだ成長途中の企業が配当で利益を株主に配りますと、企業の成長のための設備投資のお金が削られてしまいますから将来的な株価に影響します。
配当を配る理由が、「企業に内部留保していても効率が悪いので投資家さんへ還元します」ならば良いのですが、「今期はなんとかこれだけの配当金を出せそうです、どうぞ」という理由だと怖いですね。
また、海外の石油会社などは成熟企業ということもあり、ロイヤル・ダッチ・シェルやエクソンモービルなどコロナ暴落時には配当利回りが10%を超えた高配当の銘柄が多いのですが、原油は将来的には代替エネルギーに変わる事が確定していますので企業価値としては右肩下がりの運命です。
そこで配当を多く出して株価を維持している面があります。しかしいざ利益が減って、配当金を下げる(減配)などとなったら配当狙いで持っていた投資家が一気に手放して、株価が一気に下るというリスクもありますので、そこは注意しなければいけません。
連続増配銘柄
もし配当にこだわるのでしたら、連続増配銘柄をねらうという方法があります。連続で配当金を増やしているのは業績が安定している証拠です。銘柄を見渡すと有名所が多く成熟企業が中心です。
連続増配年数 | 企業名 |
30年 | 花王(4452) |
21年 | SPK(7466) |
20年 | 三菱UJFリース(8593) |
20年 | 小林製薬(4967) |
19年 | ユーエスエス(4732) |
19年 | リコーリース(8566) |
18年 | トランコム(9058) |
18年 | ユニチャーム(8113) |
17年 | リンナイ(5947) |
17年 | KDDI(9433) |
権利付き最終日に向かって株価は上がる
配当金をもらう権利が得られる権利付き最終日ですが、株価はこの日に向かって上がり、この日を境に下がるというパターンが良く見られます。
特に株主優待が人気のイオンやオリックス、すかいらーくなどによくみられる現象です。個人投資家の皆さんは権利だけ手に入れたら手放してしまうんですね。
なので取引をする際にはこの特性を理解してポジションを持つほうが勝利につながるかと思います。