キリン&アサヒビールでサヤ取り
今回のサヤ取りは2503キリンビール買い、2502アサヒビール売りの同業種サヤ取りです。
時価総額はキリンが1兆7000億、アサヒが2兆4000億円とどちらも大きく、サヤ取りで安定して投資ができる銘柄です。
また、どちらも業態の多角化を進めておりますが、ベースが飲料品にあるので大きな差別化は現状ではそこまで進んでおらず、これが逆に企業の利益構造が大きく変わらない事に繋がるのでサヤ取りにとっては安心感があります。
BLSシステムでの2銘柄の比較
こちらはBLSシステム10年期間での比較です。散布図は広めの分布ですが相関OKで、ヒストグラムも少し右にずれていますがおおむね正規分布を描いています。
そして適正乖離率に関しては過去に反落した時点を少し超えたところで再び反落の兆しをみせており、BLSの分析ではエントリー可能なところにいます。
目線としてはサヤが0%に戻るまで1年くらいの時間が必要な銘柄ですが、過去の適正乖離率チャートの動きを見ると短期で大きく動く事も多いので、そういったところで利確していくのもありですね。
2銘柄の決算・チャート比較
こちらは2021年11月15日時点のチャートと決算内容です。前の週に両社の決算が発表されて間もないところです。
PERや信用倍率などはどちらも許容範囲内で、決算はサヤ取りでは売り銘柄であるアサヒが良い結果を出し、買い銘柄であるキリンは少し見劣りします。
しかし株は、会社の未来にかけていくもので、キリンの決算推移が上げ基調であるということでサヤ取りOKと判断しました。
ただしアサヒビールの決算は良い内容で、もう少しサヤが広がる可能性はありますので、エントリーは3回くらいに分けて買っていくのが安全です。
GMOの財務分析
上記はGMOの便利な財務分析ツールの結果です。これは負債などから出した理論株価と現在の株価を比較してどれくらい割高・割安なのかをひと目で教えてくれるツールです。
短期で反応するデータではないのですが、長期的な判断では効果絶大なデータです。
そして内容を見てみると、買い銘柄であるキリンは理論株価に対して60%程度の割高判断ですが、アサヒビールを見てみると903%も割高と判断されています。
個人投資家はこういった内容はあまり見ずにトレードをしますが、大きな投資機関は必ずこういう数値を見て長期的に判断しますので、この内容はサヤ取りに向かい風です。
エントリータイミングと注意事項
上記は直近1年期間のキリンとアサヒビールの散布図です。見事に逆相関で分布もバラバラです。
これは昨年1年間が両社ともコロナの影響を受けて、平時とは違った特殊な動きをしたことが原因です。
しかしサヤが大きく広がる時というのはたいてい直近1年期間の散布図に乱れがありますので問題ありません。この結果が現在のサヤの広がりということですね。
そしてエントリータイミングですが・・・
まずは過去のサヤが一番開いたところとほぼ同じところにいる現在価格が第一回目のエントリータイミングです。
次に、赤枠の上部は55%程度まで過去にサヤが開いておりますが、赤枠の下部を見ますと2013年頃に-70%程度まで開いた時期があります。
ですので第2のエントリーはこの-70%を目安として、サヤが70%まで開いた所で2回目のエントリーを行います。
余裕のある人はそこまで待たずに、60~65%時点で一回エントリーしておいても大丈夫そうです。
損切りはチャートからは判断せず、キリンかアサヒに大きなネガティブ材料が出た時に備える想定は必要ですが、基本的にはどちらかが永遠に上がり続けたり下がり続けたりする業態ではありませんので必要ないです。
ヒット商品などがでてもすぐに真似をしあう業態ですので、サヤはいずれ戻るかと思います。(マイナス期間に耐えるにはかなり精神力がいりますが、サヤ取りには必要なスキルですね)
サヤ取りおすすめ銘柄「2503キリンビール&2052アサヒビール」 まとめ