VDPとはFX業者が操る悪魔のツール
VDPは「Virtual Dealer Plug in」というツールで、FX業者のサーバー側でMT4で派手に勝っている顧客を見つけて、ピンポイントでその顧客の取引を邪魔しに来るという恐ろしいツールです。
お使いのMT4にインストールされているかは見た目ではわからないので、放置していた調子の良いEA(自動売買)がいつの間にかVDPにやられていた話もよく聞きます。
特に有名海外業者では、このVDPらしき動きが頻繁におきていた時期があり、FX-EAラボでもその頃は海外業者をあまりおすすめしていなかったのですが、そもそもVDPというものは「稼いでいる」口座しか狙われないので、ほとんどの人が負けるFXの世界では知らない人のほうが多いのも無理はありません。
ちなみにFX業者が大切な顧客をいじめるなんて都市伝説と思っている方は、まず下のDDとNDDの記事を理解していただいてから、記事を読み進めてくださいね。
VDPが使われると何が起こる?
・約定拒否が連発する(特にスキャルピング)
・スリッページが起きやすくなる、又は大きくなる
・約定遅延が頻出する
・ストップの位置がずれる
VDPが発動すると上記の挙動が頻出するようになります。
当然お使いのFX業者に問い合わせる方も多いと思うのですが、業者の方は手慣れたもので定形での返答、又は驚くほどの塩対応を受けることになると思います。
FX業者から見ればVDPを発動した顧客というのは自社の利益を圧迫する敵であり顧客でもなんでも無いので特に日本人のように「お客様=偉い」なんて立場で突っ込むとメンタルをボコボコにされます。
日本やEU、アメリカの金融庁管轄のFX業者でしたらVDPの話は聞きませんが、ケイマン諸島、セーシェルあたりの管轄FX業者は要注意です。VDPのチェックなんてザルです。
残念ながらVDPの疑いが出た場合はおとなしく業者を変えるという方法が最善となります。
FXのスリッページ事情
FXでタイミングの良いところで注文をすると、自分が思っているよりもだいぶ悪い価格で約定してしまったことってよくありますよね?
これが我々のよく知るスリッページですが、数回起こった程度でいきなりVDPを疑うということには繋がりません。
ここはしばしば誤解されているのですが、じつはDD業者だけでなくNDD業者であるECNやSTPではスリッページは普通に起こることなんです。
顧客がご自宅のPCで見ている価格と市場の価格ですが、実は通信データの物理的な距離があり、購入ボタンをクリックしてから約定までに少しだけ時間のズレがあります。
例えばドル円が100円の時に成り行き買い注文をいれた瞬間に、大きな変動が起こり、100.20に上がってしまったときなどは残念ながらその価格で約定します。
しかしNDD業者のECNやSTPなどの場合、もし99.80に下がっていたらその分安くも変えますので、決してスリッページは悪いことばかりではないです。
問題はDD取引業者の場合です。上記ECNやSTP取引の場合は顧客に良い方にも滑りますが、DD取引業者の場合は良い方にスリッページがおきたとしても業者によって抹消され、悪い方にスリップしたほうだけ採用され顧客が被害をこうむるシステムになっています。
スリッページに対する行政の処分
処分日付:平成29年9月29日
会員:楽天証券株式会社
概要:提供しているMT4サービスで禁止しているはずの非対称スリッページとなっていた。原因として吸収したFXCMジャパン株式会社のライセンス切り替え、新サービスとして提供した際に非対称スリッページになっており、監査時まで気づかなかった。 pic.twitter.com/tZmbMfO901— 空き缶 (@akikankeri) June 17, 2018
楽天FXは以前スリッページ常習犯だったFXCMのシステムを使っていたため、このような処分が下されました。ただし現在の楽天のシステムはまともになりましたね。
ちなみに顧客に不利なスリッページは「非対称スリッページ」と言って、2013年からは金融庁によって禁止されていますが、各社システムに関しては特に規制もなく、スリッページの開示義務もないお粗末なものですので、現在も平気で行われています。
上記はVDPというよりもシステム全体の問題ではありますが、業者が意図的におこなっているということは理解してください。
VDPの約定遅延・約定拒否
VDPでの約定拒否・遅延はスキャルピングなどで勝ちまくっている顧客によく発動します。
短い期間で多くの利益をあげる秒スキャなどですと、始めのうちは「なんとなくエントリーが遅れるな」と感じる日が多くなり、あるところを境に一気にエントリー拒否が連発します。
業者に問い合わせても「お客様の回線状況を確認してください」「弊社でお調べしましたが特に問題はありませんでした」といった返事しか帰ってきません。完全に塩対応です。
以前どこかに書いたと思うのですが、本当に勝っているトレーダーがXMやtitanなどの海外業者や国内のDD取引FX業者を使わないのはこういう理由があります。
勝ち組トレーダーが良い業者を選んだというよりも、悪徳業者に干されてながらトレードを続けていたら、消去法でまともな業者にたどり着いたと言ったほうが良いでしょうか。
約定遅延に対する行政の処分
FX取引で証券会社に賠償命令 18秒の約定遅延「債務不履行」 :日本経済新聞 – 新着ニュース:インターネットを通じた外国為替証拠金(FX)取引で、約定が遅れたことで損害を被ったとして、茨城県の男性が松井証券に約1400万円の.. http://t.co/1RmeYrP6il
— JapanNewsFeeds (@JapanNewsFeeds) October 16, 2013
約定遅延は、以前松井証券が派手に約定遅延を起こして顧客から訴えられて裁判に負けて損害賠償を支払いました。
おかげで国内FX業者では派手な約定遅延はだいぶ減りましたが、海外FX業者では現在でもあたりまえのように行われています。
もちろんスリッページと同じように顧客に不利な遅延しかおこりません。
久々の投稿になります。今朝のEAのエントリーです(同ロジック)。実はブローカーがそれぞれ違いますので約定ポイントが異なります。この3つのブローカーですが、t*tan、fxdd 、有る優良ブローカーです。見ていただければ分かる通りtitan(一番右)が一番酷い、、これで私の中でのt*tanは消滅しましたね。 pic.twitter.com/AVC0VIYxBh
— 2代目_Jtrader@MiraiInvestment (@2nd_Jtrader) October 23, 2019
TitanFXが話題になってるけど真っ黒だよここ。画像はTitanFXのブレード口座。青で選択している所まではスキャで勝ちまくり。ロットを上げたらVDP発動(5~10pipsのスリッページ)、その瞬間を見ていたが酷かった。その後もスリッページが酷く勝てなくなった。VDPは口座では無くアカウントに紐づく。 https://t.co/tuVDnYGnpz pic.twitter.com/Znj6Le3XUQ
— とも@仮想通貨 (@fx_2_fx) October 10, 2019
現在のTitanは心を入れ替えてまともになりましたが、以前はこんなこともありました
FX-EAラボがお客様のMT4オリジナルインジケータを開発します
VDPの内部資料をご紹介
取引履歴のデータを検証すると、あきらかにおかしなスリッページや約定拒否などの痕跡はあるのですが、実際にVDPというシステム自体が「ある」という噂だけで、その存在は世の中に出ていません。
ですので、VDPは都市伝説と言い切る投資家も多いのですが、VDPの内部資料は海外に出回っていますのでご紹介しておきます。
以下がその内容です。
※以前までVDPの詳細PDFを配布しておりましたが、メタクオーツ社から直々にお叱りを受けまして現在は配布しておりません。どうしても欲しいと言う方はMT4インジケーター倉庫さんなどで配布されていたので問い合わせるとよろしいかと思います。
本物のVDP内部資料
こちらは、VDPプラグインの操作画面で、どれだけ遅延やスリッページするかの値の入力画面のようです。
こちらは、値動きのある毎週火曜日の午後4時はストップオーダーが15秒遅らせ、最低価格で実行され、80%の確率で追加のマイナスの滑りを発生させると書かれていますね。
その他のパラメータも利益に直結する部分が変更可能となっております。
MT4を使わければVDPは避けられる?
上記を踏まえまして、VDPというものは都市伝説ではなく実際に存在します。ちなみに冒頭にも書きましたが、VDPはMT4に利用するプラグインです。
それならば多くの国内FX業者が用意してくれているチャートシステムを使えば安全では?という疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、国内であろうとDD業者の「自前のシステム」が私達に稼がせてくれるはずはありません。
DD業者の利益は顧客の損ということを忘れてはいけません。
そもそもDD取引業者が自前のプラットフォームを使う理由は、顧客のデータを集めて管理するためですからね。
勝ちトレーダーはきっちり監視されて、最新のソフトを使っている分、凍結や約定拒否などはVDPよりもうまいことやられてしまいますよ。