OANDA(オアンダ)のオーダーブックとは?
オーダブックとは、FX-EAラボでもおすすめしているFX業者であるOANDAの顧客のポジションと注文をグラフとして表示させたものです。MT4でつかえるインジケーターとしてOANDAが配布しています。
「未約定の注文状況」をオープンオーダー、「顧客が保有中のポジションを」オープンポジションといい、この2つを総称してオーダーブックといいます。
利用するためにはオアンダ・ジャパンに口座を作らなければいけませんが、ひとまず取引をせずともMT4で使える上記のインジケーターはいただけるので活用しましょう。(とはいえOANDAは世界的にみると超安定業者さんなので自動売買などで実際に使ってみるのもおすすめします)
オーダーブックでなにがわかるの?
オーダーブックは主に短期投資家が参考にしていると言われますが、顧客のポジションを見ることで「この価格で買いたい人が多い、このラインに損切りが多い」といったことや、「今評価額マイナスで苦しんでいる人がどれだけいるのか、利確したい人がどれだけいるのか」という事がわかります。
これにより注目される価格の抵抗がどれくらいのものかがわかります。
また、顧客の未約定の注文が分かれば「どこに押し目買いが多い」などの反発ポイントもわかります。
OANDA以外の国内業者にもオーダーブックが使えるところがありますが、残念ながら国内のお客さんだけで、顧客数が多くないFX業者さんだったりするので、信頼性が少ないです。
しかしOANDAは日本だけでなく世界中に顧客をもっています。世界の3割のトレーダーはオアンダの顧客なんて話もありますので信頼性は高くなります。
オーダーブックの利用条件とダウンロード
オーダーブックをダウンロードするには、以前まではOANDAに口座を作って10万通貨以上の取引が必要という条件がありましたが、現在は撤廃されてオアンダの口座を作ったお客さんなら全員利用することができます。
更新頻度が高いプレミアム版は月の取引量がUSD換算で50万以上の枚数が必要ですが、基本的には無料版で十分です。
ダウンロードはこちらから可能です。
OANDA(オアンダ)のオーダーブック解説
顧客のポジション (オープンポジション)
まず顧客がすでに持っているポジション(オープンポジション)を説明させていただきます。
オープンポジションと呼ばれるこのグラフで、まず注目しなければならないのが、中心の緑色の「現在の価格」です。そしてこの価格を基準に、上の4つに区分けされているそれぞれのパートの心理を読み取り、トレードの参考にします。
たとえば、右上の「現在価格より上にある買いポジション」に多くのポジションが溜まっているということは、現状評価額がマイナスの人がたくさんいるということです。
つまり、価格がさらに下げると損切りの投げが出て急落する可能性があるということです。
また、左上の売りポジションですが、もしここが多い場合はどういう事を考えるかといいますと、現状売りで評価額がプラスの人がたくさんいるということです。
つまりいずれ大量の利益確定(売りの利益確定は買い戻し)がでて、少し下がって切りの良い場所にタッチすると利益確定がでて強く相場が上に戻る可能性があります。
このようにオープンポジションは、ローソク足チャートだけではわからない相場の心理的な部分を読み取ることができます。
顧客の注文 (オープンオーダー)
顧客の注文、オープンオーダーも基本的な考え方はオープンポジションと同じですが、特に注目するのは右上と左下の逆指値注文です。
もし右上に大量の買いの逆指値注文(損切り注文)があるとします。
そうしますとその損切り注文の値段に価格が達しますと、損切りが損切りを呼び相場が急騰する可能性があります。また、考え方としてオープンポジションと一番違う部分は、この損切りの注文というのは狙われる傾向があります。
「狙われる」と書きますと、業者が個人のポジションを刈りにくるようなことを想像する方もいらっしゃるかと思いますが、FXは巨大な市場ですので、よほどのお金が無い限りはそう簡単に価格は動きません。
しかしなぜか価格は損切り注文に引きよせられる習性があります。理由を述べようと思えばいくらでも作れるのですが、実は本当の理由はわかっておりません。
ですが、「大きな損切り注文があると、そこに価格が引き寄せられることが多い」ということは覚えておいて下さいね。
オーダーブックで勝てる取引方法とは
オープンポジションの分析
MT4でオープンポジションを見るには【ポジション情報】と【純額】を表示します
こちらはドル円1時間足の顧客のポジションを表示しています。「純額」という表示方法で、売りと買いの差分をだしてどちらが多いかがひと目でわかるようになっています。これですと青いグラフが買いの溜まっているポジション、オレンジが売りのポジションですね。
そしてまず目立つポジションを見ていきますが、①の買いのポジションの人たちは現在価格を見ると評価はマイナスです。
しかしドル円がこの①の価格帯で動いていたのは2019年5月あたりまでさかのぼります。しかもその後104円台まで下がったのに損切していない生粋のガチホ勢です。
つまりこのポジションは長期組か、現在のマイナスが同値か利益が乗ってくるまでポジションを解消しないポジションと考えて良いでしょう。ですのでこのポジションが現在の短期の下げで一気にポジションを解消(つまり売り)してくることは考えにくいです。
また、②の売りですが、ここは右側のレンジで売った人たちですね。レンジが長いとこのように多くのポジションがたまります。また、売りはマイナススワップなので、ガチホ組は買いに比べて少なく、全体的に短期売買の傾向が強いです。そのことから最近持ったポジションとして早々に利確されると考えます。
ですのでこの②のポジションは目立つ⑤あたりの安値で利益確定する可能性が非常に高いです。
また、③と④の多めの売りポジションですが、最近マイナス評価だったので、建値に戻ってきたということでポジションを解消(つまり買い)する人たちが一定数いるかと思います。ですのでもし価格がこのまま下がってくるならば一旦ここで反発かもみ合いがあるかもしれません。
通常はこの後解説するオープンオーダー(注文状況)と合わせて考えますが、とりあえず現状このポジション状況から読み取れるのは、
⑤を目指す②の人たちと、③の建値決済組でもみ合う。
⑤を目指す②と③の人たちと④の建値決済組でもみ合う。
⑤にタッチしたら大多数の売りポジションは利確(つまり買い)される可能性が高く、⑤で上に反発する可能性が高い。
次に、もし現在価格から上がったとしますと、②の価格を超えた辺りで②と③と④の売りポジションは心折れてポジションを決済(つまり買い)する可能性が高く、現状のポジション量を維持したままでしたら、買いポジションよりも圧倒的に多いので、①を飲み込んで上に走る可能性もあります。
オープンオーダーの分析
オーダーブックのインジ設定はMT4の【注文情報】と【売り買い両方】の注文を表示させます
こちらは顧客の注文状況を表示しているユーロドル1時間足のオープンオーダーです。指値と逆指値を相殺して表示する「純額」という見やすい表示方法もありますが、あえて売りと買い両方を表示させます。
上記を前提としてオープンオーダーを考えていきます。
まず①の部分ですが、売りの逆指値がたくさん溜まっています。同じ価格帯②に買い注文もたくさんはいっていますが、上記の理由からこの買い注文は消えたりもっと下に変更されたりする可能性も高いです。
ですので、現在地1.10721から下の、①の損切り注文が溜まっているところに触れると損切りが損切りを呼び、一気に価格が下に走る可能性があります。具体的には1.10675~1.10535の損切り注文が多い間でしょうか。
ですので、この価格に近づいているならば、相場が一時的に大きく走る可能性があるので、順張りスタイルの方はエントリーチャンスです。
また、④の部分には売り方の損切り注文が溜まっています。しかし反対の売り指値注文が倍くらい溜まっているのが見えますね。
たしかに上に走りやすくはあるのですが、売り注文がこのようにかなり多い場合はレンジになったり、ここで止められて下を目指すといったことが起こります。
あと最後になりましたが③の買い注文。実は現在地より離れた部分に、このように目立つ注文が入ることはよくあります。
しかしこれが逆指値注文だとその価格を目指す動きが見られたりしますが、指値注文の場合はいつの間にか消えたりして信憑性が無いのでスルーしてよいでしょう。
オーダーブックで勝てない理由
オーダーブックでは勝てないという声もちらほら聞くことがあります。
しかし、この意見の内容をよく見てみますと多くの場合が、「オーダーブックの抵抗帯で反発しなかった」、「抵抗帯を超えたのに価格が走らなかった」という意見がベースになっています。
オーダーブックはあくまで1企業の情報
オーダーブックは非常に優れたツールですが、あくまでオアンダ1企業の顧客の取引情報を公開したものです
たしかにオアンダの顧客は多いですが、世界中の投資家のポジションを考えるとごくごく一部にしか過ぎません。
オーダーブックで厚い抵抗帯があったとしても、その注文を飲み込む大口注文があればその流れに逆らうことはできません。
そのため、まず見るべきはローソク足の形で、過去にどれだけの売買があったのかをローソク足から推測し、そのサポートとしてオーダーブックを使うのが正しい使い方です。
顧客のポジションが溜まった場所を狙う大口が存在する
オーダブックですが、メインの使い方は抵抗帯として考えるということは先程解説しましたが、実は大きな抵抗帯は「狙って狩られる」ことが頻繁に起こります。
タイミングとしては、指標の発表時、仲値やロンドンフィックス時、市場参加者が少なく値段が動きやすい時など色々ですが、主に大口が抵抗帯をバックに逆張り注文をいれているトレーダーの損切りを誘発させて、値段を走らせるような注文がはいります。
ですので、想定していた箇所を突破されたら素早い損切り、またはドテン戦略に切り替えるなどの工夫は必要となります。
OANDA以外のオーダーブック
オーダーブックを公開している企業はOANDA以外にもあります。
基本的には自社の顧客ポジションのみの公開ですので過信は禁物ですが、複数の情報を重ね合わせて見ることでより精度の高い分析が可能になります。
IG証券
IG証券はロンドンにあるFXとバイナリーオプションの老舗ブローカーです。
サイトは英語のみの提供となりますが、通貨別でポジションの偏り具合を毎日公開しており、チャートと照らし合わせることで価格にどのような影響をもたらしているかを調べることができます。
みんなのFX(トレイダーズ証券)
みんなのFX(トレイダーズ証券)では口座開設した会員向けに価格分布表を提供しています。
PCだけでなくスマホ用アプリも提供しており、見方もOANDAと大きな違いがありませんが、OANDAが指値逆指値を公開しているのに対し、こちらは成立したポジション価格がデータの対象となっています。
更新頻度もPCは1分ごと、スマホは手動で画面を更新するたびに最新の情報に書き換えられるので、短い時間足の取引にも活用ができます。
外為どっとコムの外為注文情報
こちらはOANDAと並んで早くから注文情報を公開されていた外為どっとコムの板情報です。指値と逆指値がデータの対象ですね。
口座を持っていなくても見ることができるのと、シンプルな作りなので初心者さんでも使いやすいです。
注文状況の更新頻度は、5分前のデータを10分ごとに自動更新されます。
MT4のオーダーブックインジケーター
世界標準のチャート分析ツールであるMT4には、オーダーブックと似たような機能をもつインジケーターが存在します。
こちらは実際の注文ではなく、価格の滞在時間から注文量を算出しておりますのでFXブローカーが発表しているものとは厳密には異なりますが、両社を合わせることでより精度を上げることが可能です。
下記に2つ置いておきましたのでMT4を使っている方は見てみるとよいでしょう。