バックテストをやっている時間がない!という方には便利な勝率表示インジケーターもございますよ。
バックテストってなあに?

バイナリーオプションには、MT4というチャートソフトを使ってエントリーサインを自動で出してくれるサインツールという補助ツールがあります。
このサインツールは有料・無料沢山の種類が有り、世界中で開発され配布されています。
そしてこのサインツールにはそれぞれ個性があり、逆張り型やトレンド型、RSIやボリンジャーバンドを使ったものなどたくさんの種類があるのですが、これらの勝率や得意な時間帯など、過去3~10年期間の価格データを使って測定していくことをバックテストといいます。
バックテストをとるメリット
バックテストのメリットとして、ある程度の期間できちんと勝率を出せているのならば、リアル口座で負けたとしても、「一時的なもの」だと判断することができます。
また、最大連敗数などをバックテストで目安としてだしておけば、3~4連敗したところでメンタルはゆらぎません。
多くの方はサインツールを手に入れるといきなり稼働させて損失を出したりしているのですが、今回ご紹介しているバックテストを行うことでロジックの勝率を数%あげることができますので、かならず稼働前には一度チェックすることをおすすめします。
バックテストのデメリット
バックテストですが、はじめて行うとなると少々マニュアルとのにらめっこが必要です。ハイローオートのアナライザはなるべくシンプルに設計されていますが、どうしてもMT4の仕様に従わなければいけない部分もありますので、概念としてわかりにくい方もいらっしゃるかもしれません。
また、準備として価格のデータをダウンロードしなければいけなかったり、もし10年などの長期間で1分足を検証をやるとなると、検証するデータを制作するだけで3時間とか計算がかかったりもします。
とても地味な作業ですが、この手順の先に「稼ぐ」ということがありますのでそこは我慢です。

バイナリーのバックテストが無料でできるハイローオートのアナライザ機能
ハイローオートにはバイナリーオプションのバックテストが行える「アナライザ」が付属しています。
これは通常バックテストを行うのに必要なMQLというプログラミング言語が必要なく、さらに巷で3~5万円で販売されているものと変わらない機能をそなえており、ハイローオートにユーザー登録されていなくても無料ですべての機能がご利用いただけます。(無料版は一部広告あり)
ただし、FXの場合はMT4上でデータの解析と検証が完結できますが、バイナリーオプションのバックテストの場合は一度MT4から.csv形式でデータを出力して、ハイローオートでその.csvのデータを読み込んでバックテストをおこなければいけません。
こちらはMT4の仕様上どうしてもそうなってしまいますのでご注意くださいね。
バイナリーオプションのバックテストに関しては、なかなかネットに情報が落ちていないので、バックテスト1回ウン万円とか、バックテストを有料で教えるグループがあったりなど怪しさ満点ですが、基本的にバイナリーはFXよりもデータの扱いがシンプルでわかりやすいので、誰かに教えてもらわずともこの記事で書いてあることを実践してもらえれば大丈夫ですよ。

バックテストではなにを見ればよいのか?

ファイル名 | 現在選択中のファイル名です |
エントリー/判定表示時間 | 分析結果の時間を【MT4時間】で表示していることを表しています。 |
バックテストに使用した時間足 | データ出力時に設定した時間足がここにでます |
購入数 | 取引のあった回数です |
勝数 | 勝った回数です |
負数 | 負けた回数です |
引分数 | 引き分けの数です (業者によりますが、ハイローオーストラリアは引き分けは負けです) |
勝率 | 勝ちトレード数を全体の取引数で割った数値です |
最大連勝数 | 連勝数です |
最大連敗数 | 連敗数です |
プロフィットファクター | 総利益÷総損失の値です。FXの場合ですと理想は1.3~1.6あたりに収まりたいです |
最大ドローダウン | 期間中に、資産から最大どれぐらいの損失が出たかの値です。 |
総損益 | 最終損益の数字です |
勝率の考え方
Twitterでバイナリーオプションというと、勝率80%、90%をうたったインジケータが溢れていますね。しかしそんな美味しい話なんてあるはずもなく、1年を通して稼げているインジというものは56~62%前後に収まるものが多いのではないでしょうか。
そしてバイナリーオプションの場合、勝率に絡めて利益を考える時に、ここにペイアウト率が関わってきます。ペイアウト率が1.8倍としますと、1000円を賭けた場合に勝った時の配当は1800円となります。もちろん負けた時は-1000円。
それを踏まえて、ペイアウト率1.8倍、1回1000円賭けで1000回取引をした時に勝率50%ではどうなるでしょうか?
購入金額は1000円×1000回で100万円です。50%の勝率なので総利益は500回×1000円×1.8(ペイアウト率)で90万円となります。
購入金額が100万円だったので10万円の赤字になってしまいましたね。
では同じ条件で勝率が60%の場合を計算しますと、総利益は600回×1000円×1.8(ペイアウト率)で108万円で、8万円の黒字です。
なるほど、取引を1000回取引するとなるとだいたい1年くらいかかるでしょうかね。1000円の賭け金で100万円が108万円ってことは年率8%、もし5000円の賭け金にすれば年率40%!それはすごい!
・・とはならないんです。上記はあくまでバックテストの結果でして、実際に稼働するとなると、ここにMT4の業者とHighLow.comの価格の差、同値による負け判定、さらには「ハイロー.comからの不利な約定」の可能性を加味しなければいけません。
どういうことかと言いますと、ハイロー.comは我々に賭ける場所を提供している業者ですが、お客さんの負けた分はそのままハイロー.comの利益となります。
ですので実際にハイロー.comでエントリーすると数秒のタイムラグの後、なんか思っていたよりも悪い位置ではいってしまった経験をお持ちの方は多いかと思いますが、あれは純粋に通信速度の遅延以外にハイロー.comの操作がはいっていると考えるべきなのです。
これはFXの世界では当たり前のようにあることなのですが、バイナリーオプションはそのお手軽さから、顧客の殆どは投資を始めたばかりの方が多く、この実情を知らない方も多いんです。
それを踏まえますと、実際にロジックを走らせてみると勝率が1~2%程度バックテストよりも下がると考えたほうが現実的です。ですので、バックテストで勝率60%をだしていても、厳し目に見積もって現実的には58%程度のパフォーマンスに収まると考え、先程の計算式に当てはめますと・・・
総利益=580回(勝率58%)×1000円×1.8(ペイアウト率)で104万4000円で、4万4000円の黒字です。

連勝数&連敗数の考え方
連勝数&連敗数ですが、こちらはそのロジックがどのような相場が得意なのかを見つけ出すのに使用します。勝率も大切ですが、実際に運用成績に差が出るのはこちらの使い方です。
ハイローオートのアナライザの取引履歴(Resultデータ)は3連勝以上しますとその部分の色が変わりますので、連勝部分が目視で見つけやすいように設定されています。(現在この機能を一時停止しています、次回アップデートで復活します)
その部分の取引時間を見まして、そこが日本時間だったのか、欧州時間だったのか、仲値やロンドンフィックスの時間は絡んでいなかったか?
日足でフィボナッチの50%や61.8%などのもみ合う部分だったのか?
パーフェクトオーダー中だったり、ボリンジャーバンドのバンドウォークが発生中ではなかったか?
などなど、裁量での分析と絡めて、お使いのロジックの得意な相場というものを見つけ出すのに使用します。ここに関しては個人のチャートを読み解く技術と大きく関わる部分ですので、当然差が出ます。そしてここはしっかり勉強するべきところです。
FX-EAラボではオリジナルのロジックを10つ程度稼働させていますが、ロジックの特性に合わせてあらかじめ設定した条件が発生するとロジックを自動停止や自動起動するように作り込んであります。
単体で勝率65%以上のロジックはそうそう無いのですが、上記のような運用でそのような数字をだすことも可能になります。
プロフィットファクター
プロフィットファクター(PF)は総利益÷総損失で計算します。
例えば総利益が100万円で、総損失が50万円ならPFは2.0となります。負けていれば1.0以下になりますし、勝ていれば。1.0以上になります。
このプロフィットファクターはFXでとても重要視されるのですが、それは「いかに損失を押さえて大きな利益をだせているか」の指標となっているからです。
純利益を重要視する方は多いかと思いますが、純利益と純損失はレバレッジで大きく変化するので、システムの能力を測る指標としては向いていません。リスク・リターンの双方がふくまれているPFのほうがFXのロジックでは重要視されます。
さて、それではバイナリーにおいてのPFの考え方ですが、実はFXほど重要ではありません。バイナリーはリスクとリターンが一定ですので、PFよりも勝率のほうが大切なんです。
しかし巷ではPF2倍!3倍!なんて意味の良くわからないことを全面にだしているバイナリーのロジックがあったりしますので一応書いておきました。
というわけでPFは参考程度に収めておきましょう。
最大ドローダウンの考え方
最大ドローダウンは、最大資産から最も大きい下落率のことを指します。つまり口座資金はこの最大ドローダウン分は考慮していれておいてくださいねということです。
しかしバックテストで見える最大ドローダウンですが、実際にロジックを稼働させますと簡単に超えてくるものでもあります。
ですので本当に安全に運用したいのであれば、この最大ドローダウンの3倍程度の余裕資金は欲しいところです。
ATRフィルターを利用する

ハイローオートにはATRフィルター機能がついています。これは主に1分や5分などの短い取引で負けやすい、相場のボラティリティがない時のエントリーを避けるためのものです。
バックテストデータをMT4で作る際に、【エキスパート設定】より変更が可能です。
1分足の場合は、ATR数値が0.00015(桁が多いので間違えないように)を目安に、5分足ですと0.0003あたりが初期設定としては無難かと思います。(小数点の数はお使いの業者さんによって異なるようです。その場合下2桁を参考にしてください)
損益グラフとチャートは必ず照らし合わせる
こちらはハイローオートアナライザの月別損益グラフ
同じ期間をチャートでだして、お好みのインジを表示させます
ハイローオートのバックテストで出せる損益グラフは、それだけを見て満足して終わってしまう人が大半かと思いますが、これから長く自動売買に関わっていくのでしたら、必ずチャートと照らし合わせて分析を行う必要があります。
まず青い枠ですが、損益グラフをみますと利益をあげていることがわかります。
そしてチャートの同じ期間である青い枠の期間をみますと、まず2本の移動平均線が近い位置で行ったり来たりを繰り返しもみ合っている事がわかります。そしてATRが比較的高い数値を示しています。
次に損益グラフでマイナスをだしている赤い枠の期間を見ると、移動平均線の乖離が大きく、トレンドがでていることがわかります。そしてボラティリティに関してはそこまで大きくありませんね。
つまりこのバックテストをおこなったロジックは、ある程度ボラティリティがあるレンジが得意で、だらだらとトレンドを形成されるのが苦手なロジックということが推測できます。
この特性を理解した上で、ロジックの停止などの判断をもう少し早く反応させるために5分足や15分足を使って、ボラティリティの変化やトレンドの発生を見てロジックを停止したり稼働させたりの判断をおこないます。
もちろん上記の例はあくまで一例でありますが、アナライザーの活用方法として役に立てていただければ幸いでございます。
バックテストと実際の取引の結果はずれる
ここまでバックテストのやり方をご説明してきましたが、バックテストを行った後に実際に稼働させてみると、バックテスト通りの成績にはなりません。
むしろバックテストよりも成績が悪くなることがほとんどかと思います。
理由としては、バックテストは実際にハイローオーストラリアを使って検証するわけではなく、MT4の中だけで完結するので、スリッページやリクオート(約定拒否)などが考慮されておりません。
また、スプレッド(バイナリーオプションもスプレッドが開くことがあります)の開きなども考慮されません。そこでより正確なテストを求める方はフォワードテストをあわせておこなう事です。
スプレッドやスリッページの影響があることを勘案しますと、基本的に短い時間のゲームほど長い時間のゲームに比べてバックテストと実際の成績の乖離が大きくなります。
また、1分足のテストに関してはTDSというティック単位のヒストリカルデータを使わないと精度が落ちますのでその点もご注意くださいね。

バイナリーオプションのバックテストのやり方 まとめ
