EAとインジケーターの違い
MT4で一般のトレーダーさんが利用するプログラムには、EAとインジケーター、そこに加えてサインツールという3つのプログラムが存在します。(スクリプトを加えれば4種類)
拡張子はどれも全て「.ex4」なので境界が曖昧で、特にインジケーターとサインツールはサインを出すか出さないかの違いしかないので「インジケーター」でまとめてしまっている方も多いです。
しかし、インジケーターの開発者さん達はこの3つを明確に使い分けておりまして、開発依頼をするときなどに混乱のもとになるので違いを理解しておくことは重要です。
「EA」:売買ロジックを持っている自動プログラム
まずはEAの解説です。EAとはエキスパートアドバイザーの略で、MT4のExpertsフォルダにいれることで機能し、EA自体が売買ロジックを持っているので、MT4と組み合わせることで取引の自動化ができるプログラムです。
チャートにいれるとMT4でしたら右上にニコちゃんマークが出現しますね。
動作としては例えば、「RSIが80以上、VIX指数が20以上、ボリンジャーバンドが+2σ以上の条件を満たした時に売り注文を自動でいれる」というロジックを持ったEAをセットすれば、あとはその条件を満たした時にEAが勝手にエントリーしてくれます。
ただしチャートに移動平均線やヒストグラムなどの描写は行わず、黙々と取引だけを行うプログラムとなります。
インジケーター:チャートの描写を司るプログラム
次に「インジケーター」です。EAと同じく拡張子は「.ex4」ですが、フォルダはIndicatorsフォルダにいれることで機能します。
インジケーターには色々な種類があり、ボリンジャーバンドや移動平均線のようなトレード補助の指標、サブチャートにオシレーターを表示させたりするものなど多岐にわたります。
そしてEAとの大きな違いとして、インジケーター自体は売買ロジックを持っていない代わりに、チャートへの描写が得意ということがあげられます。
MT4の仕様の範囲内ならばどんなラインや文字も描写が可能で、テクニカル分析に利用が可能です。
また、テクニカルの条件が揃ったところでサインを出したりするインジケーターを「サインツール」などと呼びますが、これはあくまでサインを表示しているだけで、EAのように売買ロジックは持っていないので直接の取引はできません。
とはいえ、MT4の資産である膨大なサインツールを遊ばせておく手はないということで、サインツールを使ってトレードするシステムは色々と開発されています。
当サイトでもサインツールを使ってバイナリーオプションの取引を自動化するAMTは紹介しておりますし、サインツールをEAのように使いたいという場合は、ChangeToEAという変換ツールを使えば可能になります。
EAやインジケーターで取引を行うメリット
EAやインジケーターで自動売買をおこなうメリットは、裁量(人の感情など)が入らないことだと考えています。
デモや小さな金額の取引では普通に売買できても、ある程度大きな金額になると、「早く利益確定」をしてしまったり、「損切りを遅らせる」などの感情がはいったトレードになってしまいます。
これでは取引で大切な「損小利大」を狙うことが出来ません。
また、もちろん自動売買ですので、仕事や子育てで相場が見れない時なども自動で取引を行ってくれるため、取引回数を多くすることができてとっても楽です。(勝てるとは話が別ですが)
EAやインジケーターのデメリット
インジケーターは無料のものが多いですが、EAは有料販売のものが多いのでコストがデメリットになることが多いです。
また、一見無料EAのように見えて、動かすMT4の業者を指定されることがありますが、これはほとんどの場合スプレッドの広い業者になり、利用者が取引した分だけ開発者にバックされるというシステムで、利益をあげるのはなかなか難しいことが多いです。
また、EA・インジケーター双方のデメリットとしては、相場の変化に弱いということが上げられます。
その時々の相場に合致すれば、EA・インジケーターはきちんと利益を上げてくれますが、相性の悪い相場になっても自動で停止したりはせず、淡々と負けトレードを量産することになります。
そのため、完全自動化は難しく、ある程度裁量トレードでカバーしてあげる必要があります。
EAとインジケーターの見分け方
左がEA、右がインジケーター
EAとインジケーターですが、実際にファイルとしてみますと拡張子はどちらも.ex4で実は見分けがつきません。
なので海外サイトでEAやインジケーターがごちゃまぜでおいてあるサイトでダウンロードすると、インジケーターかと思ったらEAで、Indicatorsフォルダにいれて色々試しても「あれ?使えない」なんてことになって時間を浪費します。
ではこれを簡単に見分ける方法はないのでしょうか?
拡張子の.mq4ってなあに?
インジケーターやEAを触るようになると.ex4とセットでたまに拡張子が「mq4」というファイルを目にすることがあります。
これはロジックを開発する時のファイルで、EA・インジケーターを作る場合にはこのmq4ファイルにプログラムコードを書き込んでいき、それを「コンパイル」という変換処理を行い.ex4ファイルに変換してMT4が読み込める形式にして利用します。
.ex4にするとコードは見ることはできず、編集もできなくなりますが、.mq4ファイルの場合は中身は自由に見れます。つまりmq4形式で配布しているインジケーターはロジックが全て公開されているということですね。
そのため、基本的に有料ツールがmq4形式で配布されることはありえないです。中身が見えてしまい二次配布されてしまいますからね。