【初心者必見】FXで「NDD/DD方式」を知らずに損するな!仕組みと選び方完全ガイド

私たちがFX(外国為替証拠金取引)を行う際、FX業者が採用している取引方式が、皆さんの利益に直接影響を与えることをご存じですか?
主に「DD方式(Dealing Desk)」と「NDD方式(Non-Dealing Desk)」という2つの方式があり、それぞれ「A-Book(NDD)」や「B-Book(DD)」とも呼ばれます。以前はあまり意識されていませんでしたが、最近は多くのトレーダーがこの違いの重要性に気づき、情報を求めるようになりました。
簡単に説明すると、DD方式はFX業者が価格決定に深く関わり、トレーダーと業者の間で取引(相対取引)が行われるのが特徴です。スプレッド(売買価格の差)の調整が容易で、日本の多くのFX業者が採用しています。どちらかというと業者側に有利な仕組みと言えるでしょう。
一方、NDD方式は、トレーダーの注文が直接インターバンク市場(銀行間の巨大な為替市場)に流されるため、価格決定に業者が介入せず、非常に透明性が高い取引方法です。海外のFX業者に多く、トレーダーにとってより公平な取引が期待できます。
NDD方式(ノンディーリングデスク取引)とは?透明性の高さが魅力!

NDD(No Dealing Desk)方式は、FX業者を仲介するものの、顧客の注文は直接インターバンク市場に流されて決済されます。文字通り「ディーリングデスク(業者の介入)がない」ため、お客様とインターバンク市場の間にディーラーが介在しません。
このため、取引の透明性が非常に高く、海外のFX業者ではスタンダードな取引方法となっています。DD方式とは異なり、注文の裏には必ず反対売買が存在するため、顧客同士の価格が表示される「板情報」を見ることができるのも特徴です。
NDD方式は「STP」と「ECN」の2種類に分かれる
顧客とインターバンク市場の間にディーラーが入らないNDD方式ですが、さらにそこから顧客の注文をインターバンク市場に流す方式の違いで、「STP方式」と「ECN方式」という2種類に分別できます。
STP方式(Straight Through Processing)
STP方式では、FX業者はインターバンク市場のカバー先(FX業者の取引先金融機関)で、顧客にとって最も有利な価格を提示しているところを選択します。その価格に自社の利益である「スプレッド」を上乗せして、顧客へ提示します。このスプレッドがSTP方式を採用している業者の主な利益になります。
STP方式では、一旦FX業者が顧客の注文を「呑んで」(一時的に決済して)から、瞬時にインターバンクへ流します。しかし、瞬間的に値動きが激しい時など、FX業者に損失が出る可能性がある場合は、リクオート(約定拒否)が起こることが稀にあります。
ECN方式(Electronic Communications Network)
ECN方式は、すべての取引形態の中で最も透明性が高い方式と言えます。
ECN方式を採用しているFX業者が行っているのは、顧客とインターバンク市場を直接つなぐことだけです。FX業者が取引の間に介入する余地がないため、取引の透明性は非常に高くなります。
その代わり、FX業者はスプレッドで利益を得ることができないため、「取引手数料」という形で顧客から利益をいただきます。これが日本でECNが浸透しにくい大きな理由の一つです。
ECNのその他の特徴として、参加者同士の注文を直接つなげるため約定拒否という概念自体がないこと、スプレッドが非常に狭いこと、そして板情報(オーダーブック)を見ることができる点が挙げられます。
ここまでNDD方式のSTPとECNを説明しましたが、1番重要なことは「顧客がたくさん取引すればするほど、NDD方式のFX業者は潤う」ということです。
顧客とFX業者がwin-winの関係になっているということが、次に説明するDD方式との大きな違いです。
DD方式(Dealing Desk取引)とは?業者の介入と利益相反の可能性

DD方式は、相対取引や店頭取引、OTC(Over The Counter)などとも言われ、顧客とインターバンク市場の間にFX業者のディーラーが入ります。
顧客は、FX業者を介してインターバンク市場で取引をするというよりも、FX業者と直接取引をしていると考えたほうが理解しやすいでしょう。
大きな特徴として、DD方式のFX業者が顧客に提示する価格は、もちろんインターバンク市場の価格を参考にしているものの、基本的にはFX業者が自由に決めています。
そして顧客がその価格を見て注文すると、まずFX業者がその注文を一旦「吸収」します(顧客の注文を「呑む」)。
その後にディーラーが登場するのですが、彼らは何をしているかと言いますと、自社の顧客から受けた注文が偏っていて、自社に損害が出る可能性が高い場合にのみ、一旦呑んでいた顧客の注文をインターバンク市場に流します。
しかし、顧客の注文が負けそうな注文ならば、自社で顧客と直接取引をして顧客に負けてもらい、それを自社の利益に変換するということを行い、業者側が利益を出します。
DD方式業者の利益の作り方:競輪の「ノミ行為」に例えると…

ここではDD方式の仕組みを、競輪のチケット購入に例えてご説明しましょう。
ある日、競輪初心者のyukiさんが、競輪に精通しているカオチャイさんに希望の車券を買ってくれるようにお願いします。(※競馬は馬券、競輪は車券と呼びます)
しかし競輪歴の長いカオチャイさんは、yukiさんの希望の車券がかなりの確率で外れると確信しています。そこでyukiさんから預かったお金をこっそりと自分のポケットに入れてしまいます。
そしてレースが終わり結果を見ると、カオチャイさんの予想通りyukiさんのチケットは外れてしまいます。
これが「呑み行為(ノミ行為)」と呼ばれるものなのですが、DD方式業者の利益はまさにこれとまったく同じ要領で作られます。
ここで、yukiさんを顧客、カオチャイさんをDD方式業者、車券を注文、手数料をスプレッドとすればご理解いただけたますでしょうか?
DD方式の重要なポイント:顧客の損失が業者の利益に
さて、カオチャイさんの予想通りyukiさんが予想を外し、カオチャイさんは利益を出しました。
しかしここで重要な点があるのですが、もしここで、yukiさん(顧客)の選んだ番号が勝っていた場合、カオチャイさん(FX業者)は自腹でyukiさんに勝った分を払わないといけません。
ですので、DD方式のFX業者は勝ち続けるトレーダーを歓迎しません。
9割が負けると言われている初心者トレーダーを取り込むために、「スプレッド0.3銭」といった、世界でもっとも狭い水準までスプレッドを狭くして初心者トレーダーを呼び込みます。彼らはスプレッドで利益を稼ぐのではなく、顧客の損失を自社の利益の源泉として営業しているのです。
ここで一番大切なことは、DD取引は業者の利益と顧客の利益が相反しているということです。顧客が儲ければ儲けるほど、FX業者は損失が出てしまいます。
NDD取引 vs DD取引:メリットとデメリットを徹底比較!
それぞれの取引方式が持つメリットとデメリットを理解することが、自分に合ったFX業者を選ぶ上で非常に重要です。
NDD取引業者のメリット・デメリット
メリット
- リクオート(約定拒否)が少ない、または無い(ECN)
- 取引の透明性が高い(NDDのECN方式 > NDDのSTP方式 > DD取引)
- MT4を使える業者がDD取引業者よりも多い
- 多くの業者でスキャルピングが可能(特にECN)
- 自動売買(EA)の約定が安定しやすい
- 約定力が高く、スリッページが少ない傾向がある
デメリット
- スプレッドが広い傾向にある(STP)
- 取引ごとに手数料がかかる(ECN)
- DD方式に比べて、ボーナスキャンペーンが少ない場合がある
DD取引業者のメリット・デメリット
メリット
- スプレッドを非常に狭くできる(見かけ上の取引コストが安い)
- 固定スプレッドの提供があることが多い
- 豪華なボーナスキャンペーンが多い
- 流動性の低いマイナー通貨でも注文が通りやすい場合がある
デメリット
- リクオート(約定拒否)が起こりやすい
- 勝ち続けると約定がしにくくなったり、**口座を凍結されてしまうリスクがある**
- MT4未対応の業者が多い
- 取引の透明性がない
- 自動売買(EA)の成績が業者によって左右されやすい
- スリッページや約定の悪化が起こりやすい
【見分け方】あなたのFX業者はどっち?DD方式とNDD方式を見抜くポイント
ここまででDD方式とNDD方式の違いはだいたい分かっていただけたかと思います。DD方式は価格に不明瞭な部分がありイメージが悪く、NDD方式は価格の操作がなく取引の透明性がウリですのでイメージが良いです。
そのため、DD方式のFX業者の中には一部だけNDDを取り入れて、その部分を強調し「当社は顧客とのWin-Winな関係ですよ」とアピールするところもあります。
しかし、それならなぜFX業者は最初からNDD方式にしないのでしょうか?その一番の理由はNDD方式は「儲からないから」です。
NDD業者が1000人顧客を集めたとしても、手数料収入頼りなNDD方式の場合、みんなが小額しか取引しなかったり、スイングトレーダーで週に1~2回しかエントリーしなかったりすると、全然儲かりません。サーバー代だけで月100万近くかかることもありますし、人件費などを含めたら赤字になる可能性もあります。
それならばDD方式にして、呑み行為をバンバン行い、あまり取引してくれない顧客のロスカットを「狩り」に行ったり、滑らせまくって利益を奪ったほうが遥かに儲かるわけです。
そんなわけでFX業者はNDDの仮面をかぶってDD取引をしたりするのですが、これに関しては本当にNDDかどうかを見分ける方法があります。
DD方式の業者はお客を集めるために「見かけのスプレッドが狭い」
日本のDD取引業者はスプレッドが非常に狭いですね、世界でもトップクラスにスプレッドは狭いと言われています。ちなみにNDD方式の業者は残念ながらスプレッドをそこまで狭くすることができません。
これはなぜかといいますと、NDD業者の利益は「スプレッド収入もしくは手数料しかない」からです。スプレッドを狭くするなら手数料を上げなければいけませんし、手数料を下げるならスプレッドを広げなければいけません。
しかしスプレッドの広さや手数料は目につきやすく、お客さんはシビアですから、NDD業者は妥協して落とし所を決めなければいけません。
しかしDD方式の業者の場合、手数料をとっておらず、スプレッドも激狭です。そのおかげでお客さんはNDD業者よりもたくさん集まります。それはなぜか?
実はスプレッドと手数料収入がなくても別の収入源があります。それは「呑み行為」ですね。
目に見えるコストはものすごく小さく見せて、目に見えない部分で利益を出すのがDD方式です。
お客さんの注文を呑み込んだり、スリッページや約定拒否を駆使しながら、お客さんに上手いこと負けてもらいます。
そうしますとお客さんの負けがすべてDD方式の利益になりますので、多少スプレッド収入が少なくなっても問題ありません。とにかくスプレッドを小さく見せて、他の部分でたくさん稼いでいるのです。
DD業者は「101倍以上のハイレバレッジ」を提供していることが多い
NDD方式の場合、レバレッジは必ず最大100倍です。これは上記の理由で大手取引先の銀行がハイレバレッジを引き受けてくれないからです。
では200倍や400倍といったハイレバレッジをうたっている業者は、いったいどのように顧客へハイレバレッジを提供しているのでしょうか?
答えは市場に流していないんです。つまり呑み行為をしているのです。
流さず自社で呑んでしまえば、どうせ負けるお客のほうが多いですし、ハイレバならすぐにお客も破綻してくれますから、業者としては儲かって仕方がないわけです。
これが、ハイレバレッジを提供している業者はDD取引であるという証拠の一つです。
※例外:変動レバレッジを採用しているNDD業者も
「100万通貨以上の取引はレバレッジが最大100倍まで」などの条件がある業者さんは、逆にNDD、もしくはNDD寄りの業者の可能性が高いです。大きな取引のレバレッジは自社で引き受けられないということは、きちんと市場に流しているということですからね。
DD方式では「クレジットカード入金」ができることが多い

つまりですね、クレジットカード入金は業者が保証金として受け取っていない時点で、注文をさばいていません。
クレジットカードで入金したと思っている口座の数字はバーチャルなものになります。クレジットカード会社からFX業者に現金が入るのって数日間のタイムラグがあるのに、取引画面は即座に入金処理がされてるなんて普通ありえないですからね。
この数字はFX業者が表示を自由に変えているだけなんです。お金が入っていようがいまいがどうせお客さんは負けるっていう前提なので、つまり**呑んでいる**ってことですね。
また、クレジットカード入金はお手軽に考えられがちですが、もし業者が逃げてお金が返ってこなくても泣き寝入りになるリスクがあります。
理由としては、クレジットカードは「お金を預けた」のではなく「お金を支払った」という性質のものだからです。
もしお金が返ってこなかった場合、まずクレジットカード会社に相談するかと思いますが、「取引をする意思」、つまり「契約する意思」があって支払ったのですから詐欺ではありません。そのためクレジットカード会社は保証してくれません。
とても利便性の高いクレジットカード入金ですが、実はとてもリスクが高い支払い方法なんです。
DD方式の業者は「日本語サイトが多い」
しかしそんなことは気にせずに金融庁からの勧告をガン無視して営業しているDD方式の業者がたくさんあります。
中にはNDD業者もあるにはあるのですが、NDDという透明性がウリな企業がわざわざ日本の金融庁の勧告を無視してまで営業するメリットがあまりないので、そういうところは表向きNDDでも中身はDDである可能性が高いです。
それに日本の金融ライセンスは取得には1年以上の期間とトータル1億円以上の経費がかかりますからね。じっくり腰を据えてやろうという業者以外は手を出しません。
AXIORYなどの有名海外業者が所有するベリーズの金融ライセンスなんかですと、一ヶ月の50万前後で取れてしまいます。DD取引で顧客からむしり取ろうとしている業者がわざわざ大金払って日本の法令を遵守なんて勧告に従うはずがありません。
そもそも日本語のページがあるということは日本人を勧誘するための確固たる証拠であり、これを作るということは最初から金融庁から勧告が来ることを分かった上での行為です。
「じゃあ銀行入金止められちゃうけどいいんですか?」と思うかもしれませんが、先程も書きましたがクレジットカード入金や、bitwallet、Sticpay、ビットコインなど現在では入金方法がとってもたくさんあります。
ですので、日本語サイトを作るというのは、金融庁を敵に回す前提で営業しているとも言えますし、日本人の顧客がほしいのは、日本人がDD取引に対して非常に疎いからです。
海外ではNDDとDDについては投資家ならば当たり前の知識ですので、国を敵に回してまで営業をしてもDD取引業者という時点でお客さんはそこまで集まりません。アメリカなど投資先進国はNDDが主流なんです。
しかし日本はDD取引でカモにできるお客さんがたくさんいますからね、金融庁を敵に回したとしてもそれに見合う利益が見込めるから参入してくるわけです。
日本人投資家はロスカット狩りやスリッページにも文句は少なく、出金拒否をした場合でも裁判もできずに泣き寝入りしてくれます。DD業者からすれば「カモがネギを背負って鍋を持参している」のが日本人投資家でございます。
DD業者の多くは「ゼロカットシステム」がある
一見とても安心できるシステムであるゼロカットシステム。投資した以上にマイナスはならないので、投資家保護の観点からとても良いものだと思われています。
このゼロカットシステムですが、もちろん業者にとってノーリスクではありません。大暴落時に業者が損害をこうむる可能性があるのも事実です。しかし全部の顧客の取引を流すNDDはリスクが高いですが、DD業者でしたら全部の取引を市場に流しているわけではないので、ゼロカットシステムのリスクも多少コントロールできます。
でもやっぱりゼロカットはリスクが高いですよね。そもそも日本の金融商品取引法ではゼロカットシステムは禁止事項として明記されています。
運用財産の運用として行つた取引により生じた権利者の損失の全部若しくは一部を補塡し、又は運用財産の運用として行つた取引により生じた権利者の利益に追加するため、当該権利者又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させること(事故による損失又は当該権利者と金融商品取引業者等との間で行われる有価証券の売買その他の取引に係る金銭の授受の用に供することを目的としてその受益権が取得され、若しくは保有されるものとして内閣府令で定める投資信託の元本に生じた損失の全部又は一部を補塡する場合を除く。)
引用:イーカブ金融商品取引法
しかし日本の法律に逆らってまでゼロカットシステムを提供するということは、もちろんFX業者にとってメリットがあるからですね。それはハイレバレッジを提供していることと関係があります。
顧客はハイレバレッジが大好きです。みんな一攫千金を求めてハイレバレッジのFX業者にやってきます。
しかしハイレバレッジが怖いのが「追証(追加証拠金)」です。急な変動で借金を背負うなんてだれもそんなリスクを負いたくありません。
そんな顧客を引き込むための「餌」がゼロカットシステムなのです。
顧客の立場からすればゼロカットシステムは「ハイレバでガンガン攻めても最悪借金は免れる!」というシステムですから、それは魅力的でしょう。逆にゼロカットシステムが無いハイレバ業者とは契約したくないと考える人が多いんです。
なのでカモネギである日本人投資家を呼び込むためには必要なゼロカットシステムなんです。
このゼロカットシステム。実は業者側から見ると顧客を集めるだけでなく、ハイレバでガンガン攻めてくれることにも貢献してくれていて、ハイレバだとあっという間に破綻してくれますのですぐに利益を出してくれる業者にとってはとても良いシステムでもあります。
冷静にハイレバレッジを提供している業者を見渡すと、必ずゼロカットシステムと一緒に提供しているかと思います。
というわけで、ゼロカットシステムを採用している時点で、たとえ表向きNDDの振る舞いをしていても、DD業者である可能性が高いのです。
日本ではこのゼロカットシステムは法律で禁止されていますが、大きな理由として、万が一大暴落が起こった時に顧客のゼロカットを補填できずに業者が共倒れになるのを防ぐためです。ゼロカットシステムはゆるい国のライセンスならではのシステムとも言えるでしょう。
DD方式の業者にもメリットはある?賢い付き合い方
DD方式の業者のイメージは正直良くありませんが、実は良い点もあります。
それは、お客さんの取引を業者が呑み込むために、「注文が通りやすい」ということがあります。
NDD方式は必ず反対売買が必要なので、市場の流動性が少ないマイナー通貨などはなかなか注文が通らずに約定しない時があります。
こういう時はDD方式の業者でしたら自社の身銭で注文を引き受けてくれるので便利な存在かと思いますし、OANDA JapanのようなNDD方式の業者が一部DD取引を採用するのは、このようにお客さんの注文を通すためという場合もあります。
また、DD方式の「スプレッドが小さい」のは紛れもないメリットです。見えない部分で取られることが分かっているならば、取られない部分で戦えば良いわけです。
例えばスキャルピングをやめたり、スプレッドが開きやすい経済指標発表時などを避けて取引をすれば良いのです。
実際、中長期トレーダーは業者がDD方式でもNDD方式でもトレードにはそこまで大きな影響はありません。影響が大きいのは短期のトレーダーや、自動売買(EA)を利用するトレーダーですね。このあたりはご自身の取引スタイルに合わせて業者を選びましょう。
バイナリーオプションのブローカーはDD/NDDどっち?
以上を踏まえまして、バイナリーオプションブローカーはDD取引なのか、NDD取引なのかで言いますと、実はどちらにも当てはまらないんです。
DD取引、NDD取引ともにシステムの差異はありますが、インターバンクに顧客の注文を流せるという部分で共通しています。
しかしバイナリーオプションブローカーは顧客の注文を一切流していません(注文を引き受けてくれる銀行との取引が無いです)。
つまり、顧客が賭け金をかけて、その結果に応じて自社のお金で払い戻すカジノと同じ形態だと言っていいでしょう。
バイナリーオプションの業者は例外なくその形態です(FXTFなど国内DD方式のFX業者がバイナリーオプションコースを持っていたりしますが、それらも市場に流してはいません)。
というわけで、バイナリーオプションはDD方式ではありませんが、カジノ形態ということで顧客とブローカーの利益は相反するということは理解して取引に望まなければいけませんよ。
トレードに関するQ&A
いいえ、DD方式のブローカーがすべて詐欺であるとは限りません。
DD方式は、FX業者が顧客の注文を一旦引き受け(「呑み行為」とも呼ばれます)、インターバンク市場に流すかどうかを業者側で判断する取引形態です。この仕組み上、顧客の損失が業者の利益になる「利益相反」の関係が生まれやすいため、一部で「詐欺的」というイメージを持たれがちです。
しかし、DD方式自体が違法なわけではありません。多くの日本のFX業者は、金融庁の規制のもとDD方式を採用しており、その運営は合法です。
ただし、以下のようなリスクがあることは理解しておくべきです。
- 約定操作や不利なスリッページの可能性: 業者の裁量によって、トレーダーに不利な約定やスリッページが発生するリスクがあります。
- 口座凍結のリスク: 継続的に利益を出すトレーダーに対して、取引制限をかけたり、最悪の場合は口座を凍結したりするケースも報告されています。
- 透明性の低さ: 注文がインターバンク市場に直接流れないため、取引の透明性がNDD方式に比べて低いのは事実です。
したがって、DD方式のブローカーを利用する際は、その仕組みを理解し、信頼できる大手業者を選ぶことが重要です。
いいえ、NDD方式だからといって「絶対に安心」とは言い切れません。
NDD方式は、顧客の注文が直接インターバンク市場に流れるため、取引の透明性が高く、業者とトレーダーの間に利益相反の関係がない点が大きなメリットです。そのため、DD方式に比べて「公平性が高い」と評価されています。
しかし、以下のような注意点もあります。
- スリッページは発生する: 市場の急変動時や流動性が低い時間帯には、NDD方式であってもスリッページ(注文価格と約定価格のズレ)は発生し得ます。これは市場の自然な動きによるもので、業者の意図的な操作ではありませんが、リスクの一つとして認識しておく必要があります。
- コスト構造の理解: STP方式ではスプレッド、ECN方式では手数料が主なコストとなります。これらが明確に開示されているか、自分の取引スタイルに見合っているかを確認する必要があります。
- 出金拒否などのリスク: NDD方式の業者であっても、経営状況が悪化したり、悪質な業者であれば出金拒否などのトラブルが発生する可能性はゼロではありません。業者のライセンスや運営実績、評判などをしっかりと確認することが重要です。
- ゼロカットシステムに依存しすぎない: 多くの海外NDD業者はゼロカットシステムを提供していますが、これに過度に依存したハイレバレッジ取引は、予期せぬリスクを招く可能性があります。
NDD方式は透明性が高い優れた取引方式ですが、FX取引に inherent なリスクは存在します。ブローカー選びでは、NDD方式であることに加えて、信頼性やサポート体制なども総合的に判断することが大切です。
初心者の方には、取引スタイルや重視するポイントによっておすすめが異なりますが、一般的にはNDD方式のブローカーの方がメリットが大きいと言えます。
NDD方式がおすすめの理由:
- 透明性の高さ: 初心者にとって、取引の仕組みがシンプルで透明性が高いことは安心感につながります。価格操作や約定の不公平感を気にせず、純粋にトレードの練習に集中できます。
- 公平な取引環境: 業者とトレーダーの利益が相反しないため、変な疑念を抱くことなく取引ができます。
- 自動売買(EA)との相性: 多くの海外NDD業者はMT4/MT5に対応しており、EAを利用する予定がある場合はNDD方式が有利です。約定が安定しやすく、スリッページも比較的少ないため、EA本来のパフォーマンスを発揮しやすいです。
ただし、DD方式のメリットも理解しておくべきです。
- 狭いスプレッド: 見た目のスプレッドはDD方式の方が狭いことが多く、取引コストが安く見える場合があります。
- 固定スプレッドの提供: 特に国内のDD方式業者では、固定スプレッドを提供している場合があり、コスト計算がしやすいという利点があります。
初心者が選ぶ際のポイント:
- まずはNDD方式(特にSTP)の業者から始めることを検討する。 透明性が高く、トラブルが少ない傾向にあります。
- 小額から始める。 どの業者を利用するにしても、まずは小額で取引に慣れることが大切です。
- 約定力やスプレッドの安定性を重視する。 特に経済指標時など、価格が急変動する場面での約定の質に注目しましょう。
- 信頼できるライセンスを持つ業者を選ぶ。 金融ライセンスは、その業者が一定の規制下にあることを示します。
最終的には、実際にデモ口座で試したり、少額で試したりして、自分に合った使いやすいブローカーを見つけることが重要です。
スキャルピングEAは、非常に短い時間で小さな利益を積み重ねる取引手法です。そのため、わずかなスプレッド(取引コスト)や約定スピードが利益に大きく影響します。
NDD方式の中でも特にECN方式は、以下のような特徴があるため、スキャルピングEAに有利とされます。
- 極めて狭いスプレッド: ECNは市場参加者からの直接的な価格提示を反映するため、非常にタイトなスプレッドで取引できます。スキャルピングではこの小さなスプレッドが利益を確保する上で不可欠です。
- 高い透明性と約定力: 顧客の注文が直接インターバンク市場に流れるため、**約定拒否(リクオート)**がほとんどなく、意図した価格で注文が通りやすいです。これは、ミリ秒単位の約定スピードが求められるスキャルピングにとって非常に重要です。
- ディーラーの介入なし: 業者の利益とトレーダーの利益が相反しないため、不利な約定操作や意図的なスリッページが発生しにくい環境で取引できます。
DD方式のFX業者では、トレーダーの注文を一旦業者が引き受ける**「呑み行為」**が行われることがあります。この仕組みが、経済指標発表時のような市場が大きく変動する局面でEAのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
- スリッページ・約定拒否の増加: 指標発表時は価格変動が激しく、DD方式の業者は自社のリスクを避けるため、意図的にスリッページを発生させたり、約定拒否を多発させたりすることがあります。これによりEAが本来意図した価格で取引できず、損失が拡大したり機会損失が生じたりするリスクが高まります。
- 不利な価格操作の可能性: 業者が取引の間に介入できるため、トレーダーにとって不利な方向にスプレッドを広げたり、価格を提示したりする可能性がゼロではありません。
- 口座凍結のリスク: DD方式の業者は、指標発表時に安定して利益を出すEAを「顧客が勝ちすぎる」と判断し、口座凍結などのペナルティを課すケースも報告されています。
指標発表時は、DD方式の業者ではEAの稼働を停止するか、より透明性の高いNDD方式の業者を利用することを検討する方が賢明です。
EAのパフォーマンスを最大限に引き出すためには、約定力が高く安定したブローカーを選ぶことが重要です。約定力低下は、EAの想定通りの取引ができず、利益の減少や損失の拡大につながります。
約定力低下を防ぐためのブローカー選びのポイントは以下の通りです。
- NDD(特にECN)方式を採用しているか: 前述の通り、ディーラーの介入がないNDD(ECN)方式は、透明性が高く、意図しない約定拒否やスリッページが起こりにくい傾向にあります。
- スプレッドが安定しているか: 特に変動制スプレッドのブローカーでは、指標時や流動性が低い時間帯にスプレッドが極端に広がらないかを確認しましょう。狭いだけでなく「安定している」ことが重要です。
- 約定スピードが速いか: ブローカーによっては、約定スピードに関する情報を公開している場合があります。サーバーの安定性や処理能力が高いブローカーを選ぶと良いでしょう。
- サーバーの場所とレイテンシー(遅延): EAを稼働させるVPS(仮想専用サーバー)とブローカーのサーバーが物理的に近い場所にあると、通信速度が向上し、約定スピードに良い影響を与えます。
- 口コミや評判: 実際のトレーダーの約定に関する口コミや評判も参考にしましょう。特にEAユーザーからの意見は貴重です。
これらの点に注目してブローカーを選ぶことで、EAの約定力を最大限に引き出し、安定した運用を目指すことができます。
【まとめ】NDD/DD方式を理解し、あなたに最適なFX業者を選ぼう
DD方式とNDD方式の違いを理解することは、FX取引、特に自動売買(EA)を行う上で非常に重要です。約定力やスプレッド、さらには口座凍結のリスクなど、皆さんのトレード成績に直結する要素が含まれています。
この記事を参考に、ご自身の取引スタイルや目的に合ったFX業者選びに役立ててください。賢い業者選びが、FXで利益を出すための第一歩となるでしょう。